2021.10.14

【<徹底解明>モール物流戦争の行方】第1回 宅配クライシスと逆行、進む“最安”競争


Amazonとヤマト運輸が新サービス


ヤフーとヤマト運輸が、モール物流の配送料競争で一歩リードし、後発からの巻き返しを図るかと思った矢先、アマゾンとヤマト運輸の新サービスが発表された。アマゾンのマーケットプレイスに出店する事業者に対し、ヤマト運輸が自社出荷に適用できる特別運賃プランを提供するという。

【「マーケットプレイス配送サービス」の特別運賃の例(同一地域内の配送の場合)】


「宅配クライシス」において運賃値上げを迫ったヤマト運輸とアマゾンの協業関係は後退したのは確かだ。ただ、そこで関係が冷え切ったわけではなく、時を経て新たな関係を構築している。

アマゾンは中小の運送会社と連携する「デリバリープロバイダー」や、個人事業の運送会社と連携する「Amazonフレックス」を拡大し、独自の配送ネットワークを構築している。しかし、これらのネットワークは都市部が中心で、全国をカバーするために大手宅配会社との関係性は以前、重要だと言える。

ヤマト運輸も特定のプラットフォームとだけ組むわけではなく、今後も新たなパートナーと組む可能性がある。


楽天は在庫の一括受託に強み


楽天の「RSL」は、「楽天」以外の販売チャネルの注文に対する出荷において価格優位性を持っている。「RSL」の配送料は、他チャネルの注文に対する発送時も変わらないが、「FBA」「フルフィルメントサービス」では他チャネル分は割高になる。

「フルフィルメントサービス」では、年内の他チャネル分の配送料を割安に提供するキャンペーンを展開しているが、あくまで期間限定の施策のようだ。

「RSL」は多モール展開するEC事業者の、在庫を一括受託できるようにサービス設計しているようだ。

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