ショッピング強化の大手SNSに注目
もともとECモールではないサービスのECモール化にも注目したい。
ユーザー基盤の巨大さ、アクティブさから注目したのはSNSだ。フェイスブックが提供する「Facebook」や「instagram」は、ショッピング機能を付け、商品を購入する場としての機能を強化している。
▲「instagram」は動画から購入できる機能も提供現在、国内で提供しているショッピング機能では、最終的な注文処理を、連携している自社ECサイトで行っている。海外の動向を見ると、SNS内で商品購入を完了できるようになっており、今後国内でも同様のサービスを利用できるようになるだろう。
SNS上で商品を見つけ、メッセンジャーで問い合わせを行い、購入やアフターフォローもSNS上で完結する時代が来るかもしれない。
動画プラットフォームである「YouTube」や「TikTok」もショッピング機能の実装を準備しているという。動画で商品を知り、その場で購入できる仕組みが整うことで、一気に巨大なライブコマースモールが誕生するかもしれない。
▲「YouTube」はショッピング機能のテストを実施している 「Shopify」モール化の可能性は?
ECサイト構築サービス「Shopify」が、将来的にECモールのようなサービスを提供するのではないかと予測する専門家がいる。「Shopify」が提供している共通の決済サービス「Shop Pay」が、その予測を導いている。
▲「Shopify」の決済サービス「Shop Pay」がモール化への可能性を想像させる「Shop Pay」の利用者は一度、配送情報や請求情報、クレジットカード情報を入力することで、次回以降はどの導入店舗でも携帯電話による本人確認のみで購入を完了することができる。
あるShopifyパートナーは、「『Shop Pay』を利用することで、裏側ではデータも統合的に管理されていることになる。『Shopify』がECモールを作るということはないかもしれないが、共通のポイントプログラムを設けたり、ユーザーの購買行動からショップをレコメンドしたりするかもしれない」と見ている。
「Shopify」では個性的なD2Cブランドや、こだわりの強いサブスクリプションなどのサービスの提供を支援している。「Shopify」でECサイトを作るブランドのテイストが好きなユーザーも多い。
決済の共通化に加えて、相互利用するメリットが加われば、「Shopify」ショップを回遊するユーザーが増えるかもしれない。さらに「Shopify」ショップのみを検索できるポータルサイトができれば、それはECモールと言っても過言ではないだろう。
未知のECモールが次の覇権を握る可能性はゼロではない。