2021.10.13

【「多モール化」成功のコツを聞く】森源商店、コロナ禍にEC売上倍増 「dショッピング」が「楽天」迫る勢い

森源商店 取締役 水谷和弥氏


「dショッピング」は2カ月目に月商1000万円突破


――「dショッピング」ではすぐに売れましたか?

出店2カ月目で月商は1000万円を超え、3カ月目の12月には月商が3000万円近くまで伸びました。さらに驚いたのは客層です。他のモールでは、価格比較するのが前提になっているので、商品の価値が高くても、価格は競合より安くしないとなかなか売れません。「dショッピング」ではお客さまが価値を認めたら、購入していただけるという感覚があります。もちろんお得感は出していますが、店舗の体力を削るような無理な値下げをしなくても、購入に至っていただけるという印象です。ですので同じ売り上げでも利益面の貢献度は高くなります。

他の大手モールでは、売れる「手法」「商材」が限られているイメージがあります。お客さまに喜んでいただけると分かっている価値がある商品でも、なかなかお客さまの目に止まらないということが多々あります。市場規模が大きいのは素晴らしいことですが、競争が激しすぎるのも店舗にとって困りものです。

以前、「dショッピング」のお客さまに良くないクオリティーの商品を販売してしまいお叱りを受けたことがありました。その際に「何のために『dショッピング』で買っているんだ。こんな商品なら別のモールで買うわ」と言われたことがあります。モールによってお客さまが求めているものが違うのだと思い知らされました。「dショッピング」は良い意味で競争が交通整理されているので、お客さまに良い商品をしっかりとお届けできるモールだと思います。


「食の達人 森源商店」の「dショッピング店」

――「dショッピング」で売り上げを伸ばすコツは?

シンプルにやるべきことをしっかりやるというのが一番の近道だと思います。販売ページに一押し商品のバナーを載せたり、リンク切れがないようにメンテナンスをしたりと、基礎的なことをやり切れていない店舗もあります。多モール展開しているEC事業者の中には、主力の大手モールにかかりっきりで、2番手3番手のモールの運営において手を抜いているところもあります。そういう姿勢はお客さまに伝わります。どこまで手を抜かず、しっかりやるかが重要なのです。

――「dショッピング」に感じる変化や期待する点は?

運営がNTTドコモから提携先のオールアバウトライフマーケティングに変わりましたが、変更前から密にコミュニケーションが取れており、満足していました。体制が変わると聞いたときは、正直不安な面もありましたが、新しい担当の方も優秀で、より「ECモールらしく」なってきたなと感じています。より具体的な施策や商品の話を深くできるようになり、モールとショップの立場から良いディスカッションができていると思っています。店舗をフォローする体制も充実してきています。

「dショッピング」はさらに流通総額を高めるために、店舗を増やしていくとおもいますが、先行する大手モールのモノマネをするような売り場にはなって欲しくないと思います。選別された店舗が出店する「プレミアムモール」として価値があると思いまし、それを支持する顧客も付いています。「dショッピング」ならではの魅力をさらに伸ばしていってもらいたいと考えています。

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