2021.10.05

楽天銀行、株式上場準備を開始 独自の資金調達を含めた成長・財務戦略を検討

楽天グループはこのほど、9月30日に開催した取締役会において、連結子会社である楽天銀行の株式上場準備の開始を決議したと発表した。

同社グループは、「イノベーションを通じて、人々と社会をエンパワーメントする」を経営の基本理念に掲げ、国内外において、Eコマース、トラベル、デジタルコンテンツなどのインターネットサービス、クレジットカードをはじめ、銀行、証券、電子マネー、スマホアプリ決済といったフィンテック(金融)サービス、携帯キャリア事業などのモバイルサービス、さらにプロスポーツといった多岐にわたる分野で70以上のサービスを展開。楽天会員を中心としたメンバーシップを軸に有機的に結び付けながら、他にはない独自の「楽天エコシステム(経済圏)」を形成している。国内外の会員が複数のサービスを回遊的・継続的に利用できる環境を整備することで、会員1人当たりの生涯価値(ライフタイムバリュー)の最大化、顧客獲得コストの最小化等の相乗効果の創出、グループ収益の最大化を目指している。

変化の激しいインターネット業界において、今後も持続的に成長するためには、各事業を取り巻く事業環境を踏まえ、資本効率をさらにあげながら、迅速な意思決定を可能とする体制構築を通じた競争力と機動力の向上が重要であるとし、先進的なテクノロジーを通じたサービスの一層の充実と、各事業の価値向上を通じた楽天エコシステムの拡大、及び自律的加速が、企業価値最大化に資するものとの考えを示した。こうした背景のもと、楽天銀行は株式上場を通じ、より自律的な経営視点と成長戦略を遂行できるとともに、独自の資金調達を含めた様々な成長及び財務戦略を検討することが可能になるとしている。

グループの更なる持続的成長には「楽天エコシステム」の拡大が重要であるとし、楽天銀行の株式上場準備にあたっては、上場後もグループにおいて、特にフィンテック事業を展開するうえで、自社の重要な連結子会社であることを前提としている。楽天グループは引き続き、信用力及び財務健全性等を考慮して自社グループの組織構成及び資本構成を併せて検討しながら、成長と企業価値の最大化を目指す考えを示した。

なお、株式上場に関しては、関係当局の承認を前提とすることに加え、準備過程における検討の結果次第ではグループの組織再編が必要になる場合や、楽天銀行は株式上場しないという結論に至る可能性もあるとしている。そのため現時点では上場予定時期等は未定となっており、必要に応じて適宜開示を行っていくとしている。



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