2021.10.04

【新クラウドサービスの狙いを「はぴロジ」に聞く】「logiec」を積極活用したEC物流を


物流不動産のシーアールイー(CRE)の子会社で、EC向けの出荷自動制御システムを提供する、はぴロジは10月以降、新クラウドサービス「logiec(ロジーク)」を提供する。中核を担ってきた「ASIMS(アシムス)」の次期バージョンとして刷新した。同社は「物流とテクノロジーで流通の新しい価値を創造し続ける」ことを理念に、EC企業の生産性の向上に貢献してきた。サービス刷新の背景や新サービス「logiec」の狙いについて、経営戦略チームの新井豪氏とフィールドセールスチームの小川太郎氏に聞いた。


――「logiec」のサービス概要について聞きたい。

小川:クラウドシステム「ロジーク」は、あらゆるECカートやECモール、受注管理システムとWMS(在庫管理システム)をつなぐシステムだ。受注データの連携をシームレスに実現する。ワンクリックで出荷指示と商品マスターなどが連携でき、自動更新が可能になるほか、発送業務(出荷指示・出荷実績)の自動化や受注情報の取り込みがワンクリックで簡単にできるようになる。

当社と連携する「ロジパートナー」と呼ばれる全国の倉庫が約130拠点、親会社であるシーアールイーグループで管理している物件数が合計で1600カ所ある。ECで販売する商材によって適した3PLをつなぐことができる。倉庫から発送完了後、配送会社の配送番号を含む発送完了情報を連携したり、在庫の自動反映などが可能になる。


フィールドセールスチーム 小川太郎氏

――「ASIMS」から「logiec」に刷新する狙いは?

新井:現在のASIMSはバージョン2で、システム的な負荷やセキュリティーの面で改めて強化する必要が出てきた。プログラムやインフラの見直しを進めており、10月以降に刷新する。コンセプトは「物流の司令塔」で、あらゆるECに関わる仕組みを連携する「iPaaS(アイパース)」のような役割になることを目指している。

――EC企業が導入するメリットについては?

新井:当社は、国内の全ての物流インフラとつながることを目指している。ECなどの荷主が自由に物流を選べるようになることが目標だ。

連携接続コストなど多額の初期投資、システム維持費用を最小まで抑えることができる。さまざまなECカートやWMSなどとのAPI接続を含めた連携が強みだ。EC企業が持つ物流センターを生かしたまま導入することもできる。

導入倉庫についても現在の130拠点に加え、シーアールイーグループが持つ管理物件を活用することで大手企業の案件も担えるようになった。各倉庫の在庫情報を自動的に一元管理する。出荷データを活用することで、需要予測もできるようになる。配送先に応じて、自動で近い倉庫へ出荷手配し、欠品時は次点倉庫への自動切換えもできる。


経営戦略チーム 新井豪氏

――EC企業が抱える課題にどのように貢献できるのか?

小川:セールなど繁忙期に物量が跳ね上がる時がある。その時に、人海戦術で増員したり、忙しさからサービスレベルが低下するなどの課題がある。リードタイムが長くなったり、販売の機会損失につながる例も珍しくない。

当社の仕組みを活用すれば、ECのオフィスと倉庫の分散や、仕入れ倉庫や工場との分散にも対応できる。コストも抑えられて、生産性が高まることでサービスレベルが維持することができる。

また、現在委託している倉庫を一元管理したい場合、倉庫ごとにWMSが異なっていることが多いと思う。「logiec」を導入すれば、容易にWMSとと連携ができ、新たなコストを掛けずに一元管理が可能になる。

昨年のマスク需要が顕著な例だが、今後も瞬間風速的な商材がECで売れる可能性がある。「logiec」を積極的に活用していただくことで、チャンスを逃さない物流戦略を取り入れてもらいたい。


「はぴロジ」
https://www.hapilogi.co.jp/



【ECソリューションマップ2021「物流編」】特集ページ
https://netkeizai.com/articles/detail/4749





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