益子焼を製造・販売しているよしざわ窯のEC売上高は2006年以降、毎年のように前期比10~20%増のペースで成長を続けている。陶器を販売する大型イベント「益子陶器市」に出店し、来場者に自社ECサイトの案内状を配布して集客につなげている。
「益子陶器市」は栃木・益子町で春と秋に開催している大規模な陶器の販売イベント。50以上の販売店、500以上の作家が参加し、来場者数は1年で60万人を超える。
よしざわ窯は2006年から毎年参加しており、来場者に自社ECサイトを案内するチラシを配り、サイトへの集客につなげてきた。
「ただ出店するだけでは意味がないと思っていた。少しでも自社ECサイトの存在を知ってもらうため、来場者とコミュニケーションを図ったり、チラシを配布している」(吉澤泰久社長)と振り返る。
「陶器市」に出店したことで、人気商品を開発することもできた。
「今までは何を作ればいいか分からなかった。だが『益子陶器市』に出店して、顧客に新しい商品のヒントを聞くことができた。ECサイトでよく売れている商品のデータも商品開発に生かしている」(同)と話す。
2012年は、しのぎ模様の白色のカップが人気だった。2020年からは黄色や紫色などの器が人気だという。
幅広い年代の顧客獲得を目指し、平皿だけでなく、豆皿、ケーキ皿、動物の形をした小鉢、箸置きなどを製作している。商品数も2021年8月時点で700種類を超えた。
近年人気の動物の形をした小鉢よしざわ窯は「益子陶器市」に出店したことで売上高の基盤を確立できた。2021年9月期の売上高も前期比1.2倍に拡大する見込み。好調を維持しているが、今後は新たな取り組みを考えている。
「商品紹介に動画を活用していきたい。商品のイメージをより鮮明に伝えることができると考えている」(同)と力を込める。
「生活雑貨 on the table(オンザテーブル)」https://www.yoshizawa-gama.com/