2021.09.16

【「eBay.com」日本展開強化の狙いを聞く】eBay イリヤ・クレトフ氏「日本語化の次はサービスのローカライズへ」

eBay グローバル新興市場ジェネラルマネージャー イリヤ・クレトフ氏


米・eBay(イーベイ)は今年8月、グローバルなECモール「eBay.com(イーベイ・ドットコム)」において、日本語によるサービス提供を開始した。日本語での商品検索などから対応し、2022年中にフルローカライズ(完全日本語化)の実現を目指すという。日本展開を強化する狙いや戦略について、グローバル新興市場ジェネラルマネージャー イリヤ・クレトフ氏に聞いた。



日本が最初の強化対象国に


――日本のローカライズを進める狙いは?

まず「eBay」において2つのビジネスモデルがあるということを知っていただきたい。セラー(販売者)とバイヤー(購入者)がどちらも同じ国にいる国内取引と、セラーとバイヤーが異なる国にいて行う越境取引の2つだ。「eBay.com」では世界中に2000万人のセラーがいて、越境取り引きを行っている。

越境マーケットで日本は常にトップランクの重要な国に数えられている。日本のバイヤーが世界中からお買い物していただく機会を増やすために、ローカライズを強化したいと考えていた。

昨年、これまでのグローバル戦略の統合化を図る中で、越境取引をさらに活性化する国として、日本を最初の強化対象国に選定した。日本ではこれまでも数年かけて、ある程度のローカライズは進めてきたが、改めて日本語化を進めることにした。

日本のバイヤーを活性化することで、「eBay.com」を国内取引の規模においてもトップ10に入れるようなマーケットプレイスになれるようにしたい。

――日本以外でローカライズしている国は?

スペイン語対応することでラテンアメリカ諸国の大部分をカバーしている。ポルトガル語でブラジルやポルトガルをカバーしており、ロシア語でロシアを含むロシア語を話す国をカバーしている。中国語への対応も行っている。国内取引においても、カナダやベルギーでフランス語のローカル対応を行っている。

――日本のバイヤーの特徴は?

日本のバイヤーはユニークな特性を持っている。「eBay.com」でも人気が高いカテゴリーであるコレクターズアイテムをよく購入している。スニーカーも大衆向けではなく、コレクター向けのスニーカーをよく購入していたり、腕時計やトレーディングカード(トレカ)などを多数買っていたりしている。高価格帯の商品をよく買っていただいている。

最近では大谷翔平選手の検索クエリが膨大な数になっている。大谷選手のトレカは何万という単位で販売されている。ポケモンのトレカも何百万という検索クエリになっており、ゲーム関係の検索クエリも何十万件にのぼる。

オリンピックシーズンにはモスクワのセラーが、オリンピックコインを7000ドルで日本のバイヤーに販売したという話もあった。

コレクターズアイテム以外にも、車やバイクのパーツやアクセサリーの人気が高い。アテネのセラーが日本のバイヤーに、バイクのパーツを販売したという話も聞いた。米国など主要な国からだけでなく買っていただいている。

日本のバイヤーは午後10時以降の利用が多く、デスクトップよりモバイルアプリの利用が伸びているというトレンドもある。

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