「ピンチをチャンスに変える」発想を楽しむ

新型コロナウイルスの流行によって、売り上げが伸びているというEC企業が少なからずあるようだ。筆者の取材先では、アルコールやペット用品が売れているという。アルコールは、外出自粛に伴う家飲み需要が増えているからだという。ペット用品の伸びは、同じく外出自粛によるもの。自宅でペットと触れ合う機会が増えることで、ペットのために買ってあげたいという需要が増加。普段よりも高級なペット食やおもちゃなどが売れているという。

 一方で、アパレルは大打撃を受けているようだ。着物のECの店舗では、3月1カ月の売り上げが前年同月比で40%減になりそうだと話している。年商数億円の企業だが、「このままでは潰れてしまう」と悲しそうな笑みを浮かべていた。

こんな時だからこそ、「ピンチをチャンスに変える発想」を楽しむべきではないだろうか。今では、ECサイトにAR（拡張現実）のシステムを導入し、洋服のバーチャル試着や、家具・家電のバーチャルフィッティングをできるようにすることもできる。ARに限らず、最新の技術をECサイトに導入することで、まだ見えない需要の掘り起こしを行うことも可能だろう。中小のEC店舗だけでなく、ECモールなどのプラットフォーム運営事業者にも、非常事態だからこそ、思い切った仕組みの導入を検討してもらいたいと願う。