2021.09.10

ヤッホーブルーイングと泉佐野市が地域活性で合意 「#ふるさと納税3.0」活用、「大阪ブルワリー」開設へ

ヤッホーブルーイングの井手直行社長(左)、泉佐野市の千代松大耕市長(右)

泉佐野市と「よなよなエール」などのクラフトビールを製造販売するヤッホーブルーイングは9月9日、企業誘致と地域活性に関する基本合意書を締結した。泉佐野市独自の補助金制度とクラウドファンディングを組み合わせた制度「#ふるさと納税3.0」を活用し、ビール醸造機能と飲食や販売スペースを併設するレジャースポット「ヤッホーブルーイング大阪ブルワリー(仮称)」の開設を目指し、泉佐野市の活性化と近畿圏のクラフトビール市場の盛り上げに取り組む。

泉佐野市とヤッホーブルーイングは、企業誘致と地域活性に関する基本合意書を締結した。これに伴い、泉佐野市が行うふるさと納税型クラウドファンディング「#ふるさと納税3.0」において、目標金額10億円の史上最大規模のプロジェクトを実施。泉佐野市内にビール醸造機能と飲食や販売スペースを併設する新たなレジャースポット「ヤッホーブルーイング大阪ブルワリー(仮称。以下、大阪ブルワリー)」の開設のため、寄附を募集する。

「#ふるさと納税3.0」は、ふるさと納税の寄附者と一緒に地場産品(商品・サービス)を作り出し、新たな産業、雇用を創出し、新たに創り出された地場産品を返礼品として提供し寄附の増大につなげることを目的とした制度。泉佐野市内で地場産品を製造・加工・開発する事業者を募り、プロジェクト単位でふるさと納税型クラウドファンディングを実施。ふるさと納税による寄附金総額が目標を達成したプロジェクトの事業者に対して、寄附総額の40%を補助金として交付し、事業者は事業開始にあたって必要となる費用に補助金を活用することができるというもの。

今回の基本合意に伴い開始したプロジェクトでは、2022年3月31日までに「#ふるさと納税3.0」の寄附総額が目標金額の10億円に達した場合、ヤッホーブルーイングは「大阪ブルワリー」構想の具体化を進めるとしており、2023年秋の開設を目指す。ふるさと納税の返礼品は、寄附金額1万6000円で「大阪ブルワリー」で製造予定の「よなよなエール」24缶と引き換えることができる電子チケット。2023年秋以降の開業をめざす「大阪ブルワリー」で製造予定の「よなよなエール」を電子チケットと引き換えに申込受付順に発送するとしている。

泉佐野市は、2020年9月より独自のふるさと納税型クラウドファンディング「#ふるさと納税3.0」を開始。ふるさと納税制度を活用したクラウドファンディングで補助金の原資を調達し、企業や個人事業主を支援(誘致)することにより、泉佐野市に新たな地場産品を創出する新たな取り組みとなる。2020年度の寄附額は、合計5億5000万円に達し、氷温熟成肉、高級缶詰など9件のプロジェクトでクラウドファンディングを実施。実際に新たな加工所や設備で生産された製品が泉佐野市の返礼品として活用されたという。泉佐野市は、「#ふるさと納税3.0」の更なる飛躍を目指し、2021年度の核となるプロジェクトを担う事業者の誘致を検討していた際、2018年度の泉佐野市におけるふるさと納税返礼品の中でトップの寄附金を集め、かねてより誘致を打診していた「よなよなエール」を製造するヤッホーブルーイングが候補に挙がり、参画を打診した。


泉佐野市

一方、ヤッホーブルーイングは、2021年2月に大阪営業所を開設するなど、近畿圏のクラフトビール市場を盛り上げる活動に注力していたところ、泉佐野市から「大阪ブルワリー」の開設を視野にいれた「#ふるさと納税3.0」のプロジェクト参画の打診を受けた。ビールを醸造する機能だけをもつ醸造所ではなく、泉佐野市に訪れる人々が楽しめるエンターテインメント性を兼ね備えた「レジャースポット」をつくるという構想に、「ブルワリー」を開設することで泉佐野市だけでなく、泉佐野市から近畿圏全体のクラフトビール市場を盛り上げることに貢献できると考え、本プロジェクトへの参画を決めた。


ヤッホーブルーイング

泉佐野市とヤッホーブルーイングは、「大阪ブルワリー」を開設することで泉佐野市を活性化させ、近畿圏のクラフトビール市場の盛り上げたいとしている。




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