2021.09.08

ロボットによる自動倉庫を実店舗に併設し、顧客体験を向上する【「オートストア・システム 鴨弘司社長」連載第3回】

ECの「未来世界」では、倉庫内物流にロボティクスシステムを導入することが、受注発送業務と購買行動の再構築につながります。

ロボティクスシステムを導入すれば、実店舗の内部、または隣接するスペースを利用して、マイクロフルフィルメントセンター(MFC)を設置することができます。マイクロフルフィルメントセンターとは、ロボティクスシステムが導入された、店舗内の保管用の倉庫スペースのことを指します

MFCとは、通常、小売業者が扱う商品数の80%以上を保有する、ロボティクスソリューションを備えた、小さな施設やスペースのことです。広さは700〜1400㎡が一般的です。MFC設置の目的は、従来の店舗よりも小さな設置面積で、より迅速にお客さまにサービスを提供するにあります。

地域のショップや小売店にMFCがあれば、店頭での商品の受け渡しや回収が可能になり、地域の需要に迅速に対応することができます。MFCを使えば、実店舗に併設された自動のストレージシステムによって、ブランドは需要の増加に柔軟に対応できます。

小さな店舗であっても、充実した顧客体験を提供することは可能なのです。優先されるべきなのは、消費者の購入体験です。オンラインストアや競合他社にはできない購入体験を、実店舗が独自で提供するようになる必要があります。

実店舗に自動化されたロボットストレージシステムを導入すれば、効率化が図れるだけでなく、利用可能な在庫の幅も広がります。キューブ型のロボットストレージシステムがあれば、商品在庫を高密度に保管できます。実店舗の倉庫で保管する在庫を、オンラインや実店舗で販売することも可能になります。

ロボティクスシステムを導入すれば、商品の仕分けやピッキングをロボットに任せられるため、従業員は棚への補充やお客さま対応に専念することができます。

そうなれば、顧客満足度の向上だけでなく、ラストワンマイルの配送時間の短縮もできます。大規模な配送センターへの依存度を軽減できるため、企業は持続可能性を高めることができます。

自動化すると、人の労働力と比較して最大4倍の効率とスピードで配送することができるといわれています。仕分けやピッキングのプロセスにロボットを導入すれば、人の「歩く時間」をロボットで埋めることができ、配送時間を大幅に短縮することができるのです。

ロボットは、配送時間の遅延や返品の原因となるヒューマンエラーの可能性を排除します。配送の遅延やヒューマンエラーは、結果的に企業に対する消費者の評判を毀損(きそん)する可能性のある問題です。

立方体的なストレージシステムは、密度の高いオペレーションを可能にします。当社が提供する「オートストア・システム」の場合、商品は「ビン」という名の箱にストックされ、倉庫内で1つ1つ積み上げられます。これにより、通路が必要なくなります。省スペースでより大規模なストレージ容量を実現します。

無駄なスペースは無駄な支出につながるのです。

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