2021.09.07

【インタビュー】SBペイメントサービス 塩原氏 × フューチャーショップ 安原氏「AIが不正購入とカゴ落ち防ぐ」

SBペイメントサービス 営業4部 アライアンス営業課 塩原和秀課長代行(左)、フューチャーショップ 執行役員 セールス・マーケティング部 安原貴之統括マネージャー(右)


オンライン決済代行大手のSBペイメントサービス(SBPS)では9月28日から、ECサイト構築プラットフォーム「futureshop」を提供するフューチャーショップとの連携を開始する。同日以降、「futureshop」の導入企業は、SBPSが提供する、決済情報から不正購入を検知するシステムを利用できるようになる。同サービスを使えば、顧客のカゴ落ちを防ぎながら、決済のセキュリティーを強化することが可能。チャージバック被害も防ぐことができるという。SBPS営業4部の塩原和秀課長代行と、フューチャーショップの安原貴之執行役員に、サービスの詳細を聞いた。


疑わしい注文にはアラート


――提供を開始するのはどのようなサービスか?

塩原:当社が提供する「AI不正検知」は、年間数億件の膨大な決済データを基に、決済を1件ずつAIがスコアリングするというサービスだ。「使用実績のないカードが使われた」「いつもと違う高額商品の購入だ」など、人間では瞬時に判別がつかないパターンも、リアルタイムに検知できる。


SBペイメントサービス 営業4部 アライアンス営業課 塩原和秀課長代行

安原:今回の連携では、「futureshop」を利用するEC事業者がSBPSの決済代行を利用していれば、AI不正検知の一部機能を無償で利用できる。

具体的には、疑わしいカード決済があった際に、「futureshop」の受注管理画面上にアラート情報が表示される。そのため、不正の可能性が高い注文があった際に、EC事業者は、購入者に直接連絡し、本人の利用かどうかを確認することができるようになる。アラートが表示された理由を、受注管理画面上で確認することもできる。

コロナ以降、EC利用の急増とともに、カードの不正利用によるチャージバックの被害も増加している。一方、不正検知のサービスは導入コストも安くない。今回の連携により、「futureshop」を利用するEC事業者が、不正検知サービスを無料で利用できるようになることは、チャージバック被害の防止に役立つと考えている。


フューチャーショップ 執行役員 セールス・マーケティング部 安原貴之統括マネージャー

塩原:AI不正検知の最大の導入メリットは、注文にリスクがある理由をリアルタイムで確認できる点にある。商品発送前に確認することで、チャージバックをはじめとした不正購入対策ができる。

安原:現在のところ、3Dセキュアが決済の主要なセキュリティー手段となっている。ただ、3Dセキュアを導入すると、通常よりは高い確率でカゴ落ちが発生してしまうという難点があった。セキュリティーと利便性の両立が難しいのが、3Dセキュア導入の最大のネックとなっていた。

塩原:AI不正検知の有料オプションを使えば、スコアリング結果に応じて、3Dセキュアの出し分けを行うこともできる。

これまでカゴ落ちを恐れてチャージバック被害に泣き寝入りしてきた事業者にとっては、朗報といえるだろう。個人情報管理のレベルが高いSBPSが運用している点も安全性の高さを示す証拠だといえる。



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