2021.08.27

ルームクリップ、D2Cブランド運営のbydesignを子会社化 「RoomClipショッピング」の強化にもつなげる

ルームクリップの髙重正彦社長(左)とbydesignの石川森生社長(右)

住生活の領域に特化したソーシャルプラットフォーム「RoomClip(ルームクリップ)」を運営するルームクリップは8月25日、インテリアD2Cブランド「Kanademono(カナデモノ)」などを展開するbydesignを子会社化した。これに伴い、bydesign取締役社長の石川森生氏がルームクリップの経営に参画する。bydesignの持つD2C構築やEC運営のノウハウを活用し、ソーシャルコマースプラットフォーム「RoomClipショッピング」および、D2Cクラウドサービス「RoomClipビジネス」の強化を図る。また、本買収に先立ち、シリーズEラウンドの資金調達を実施した。

2016年に設立したbydesignは、「空間から豊かな人生をデザインする」を企業理念に掲げ、インテリアD2Cブランド「Kanademono (カナデモノ) 」をはじめ、「Gemone (ジモーネ) 」、「Favrica (ファブリカ) 」の3ブランドを展開。自社プロダクトを製造しながら、他社商材の仕入れも行い、販売までを一貫して行う。

ルームクリップの運営する「RoomClip」は、家具や家電、雑貨などインテリアの写真を投稿・閲覧できる、住生活領域に特化したソーシャルプラットフォーム。月間ユーザー数600万人超の規模を誇る。2020年9月には、住生活関連企業が積極的に「RoomClip」ユーザーとつながり、製品・商品を販売するまでをサポート住生活関連企業向けのD2Cクラウドサービス「RoomClipビジネス」をスタートした。さらに2021年3月には、住生活関連商品に特化した国内初となるソーシャルコマース「RoomClipショッピング」をリリース。「RoomClip」運営で培った資産にEC機能を融合し、新たな購買体験を提供する。

今回のbydesignの子会社化と、それに伴う同社取締役社長の石川森生氏がルームクリップの経営に参画によりルームクリップは、bydesignが持つD2Cブランドの構築やECショップ運営のノウハウの活用、および同分野に深い知見を持つ石川氏の経営参画により、「RoomClipショッピング」と「RoomClipビジネス」の開発と顧客獲得のためのマーケティングをより強化していくとしている。

また、本買収に先立ちルームクリップは、既存投資家であるBonds Investment GroupをリードとしたシリーズEラウンドを組成。EC支援のいつもの100%子会社であるいつもキャピタル、NOWが運営するVCファンド、東証一部上場のMS-Japanとハヤテインベストメントが共同運営するVCファンド、個人投資家の永見世央氏(ラクスル取締役CFO)らを引受先とした第三者割当増資を実施し、金融機関からの融資も合わせた資金調達を実施した。

今回の子会社化にあたり、ルームクリップ代表取締役の高重正彦氏は、「『RoomClipショッピング』は、プラットフォームとして、出店企業に向けた商品企画やマーケティング支援の機能を強化しております。この度当社のグループ会社となるbydesignは、国内のホームファッション領域で成功している数少ないD2Cブランドです。今後、bydesignの持つD2C創造・育成のノウハウ、特に商品企画・マーケティングのプロセスを、RoomClipショッピング内で再現可能にしていく予定です。本グループ化を通じて、RoomClipショッピングを、ユーザーと企業の繋がりが新しい消費を生むソーシャルコマースの場として、ユーザーはもちろん、住生活領域の企業にとっても、価値のある場所にさらに飛躍させていきます」とコメントした。

ルームクリップ取締役(コーポレート管掌)の蝦名航星氏は、「この度のbydesignのグループ化に先立って組成したシリーズEラウンドは、既存株主の賛同を得てエクイティファイナンスをリードしていただきながら、本グループ化を実施した場合のシナジーの可能性や上場準備への影響等を並行して検討するプロセスとなりました。そのうえで、フォロー投資家、取引金融機関からも理解を得る必要がありました。上場前のスタートアップ企業が、シナジーのある別のスタートアップ企業をグループ化することは、国内でまだ事例が少ない取り組みでしたが、今後の当社の成長戦略の選択肢を広げる位置づけとして本グループ化を進められたことを大変嬉しく思っています」と述べた。

bydesign取締役社長の石川森生氏は、「当社は昨今隆盛を極めるD2Cマーケットにおいて、家具・インテリア領域にフォーカスして成長を続けてまいりました。この度のルームクリップ社による当社完全子会社化によって、同領域で国内最大級のバーティカルコミュニティである「RoomClip」との連携を強化し、より多くのトラフィックやUGC生成による一層の成長加速が期待されます。また、「RoomClipショッピング」への出店および当社D2Cブランド運営ノウハウを生かして、同プラットフォーム上での新たなD2Cブランド創造をサポートすることで、両社シナジーの最大化を目指します。ここから、これまでにない購買体験が生まれていくことにワクワクが止まりません!」とコメントした。



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