2021.08.23

オンワードデジタルラボ、生産者による直販新規事業「CRAHUG」開始 工場の販売促進やリブランディングを支援

オンワードホールディングスの子会社であり、グループのデジタル戦略を担うオンワードデジタルラボはこのほど、全国のファクトリーブランドに加え、生産者や工場のオリジナル商品を開発し、国内外に直販する新規事業「CRAHUG(クラハグ)」を開始する。第1弾として、公式ファッション通販サイト「ONWARD CROSSET(オンワード・クローゼット)」において、12の生産者が展開する13ブランドの商品を8月31日より販売する。商品の直販による工場の経営基盤の安定化を目指し、日本のモノづくりを支援する。

【<画像8点>「CRAHUG」プロジェクト参画者や商品はこちら】

「CRAHUG」は、日本のモノづくり支援を目的に、全国各地の工場と共に持続可能なモノづくりを目指すD2Cサポートプロジェクト。自販・自立することで持続可能なビジネスモデルを構築したい全国の生産者や工場を対象に、サポート内容ごとに2つの協業プランを提供し、販売支援を行う。

主な取り組みは、国内外に向けたEコマース販売支援、ファクトリーブランドを作りたい広報の企画支援を行うブランディング支援、産地や工場についてWEBジャーナルサイト・SNSで情報発信するプレス発信、受注販売会や工場への観光ツアーなどのイベント開催、Web購買データの共有によりブランディングや商品開発に還元するWeb分析。

工場協業プランでは、2つのプランで参画向上を支援する。すでに完成し、販売しているファクトリーブランド向けのAプランでは、「ONWARD CROSSET」を中心としたEコマースでの販売、プロモーションの支援を行う。一方、自社ブランドを作りたい医師のある日本の工場向けのBプランでは、オリジナルブランドの発案、生産から販売までを一貫してフォローする。

8月31日に販売を開始する公式ファッション通販サイト「ONWARD CROSSET」は、岐阜県の木曽川染絨、石川県の輪島キリモト、香川県の川北縫製など、スタート時点で12の参画工場が参加。展開する13ブランドの183商品がラインアップする。また同日には、Webジャーナルサイト「CRAHUG」もローンチする。今後は、9月1日~12日に展示会イベント「CRAHUGつくるにふれる。くらすはつづく。展」をオンライン・オフラインにて同時開催するほか、2022年春頃には、Bプラン工場商品の販売開始を予定している。

新型コロナウイルスによる日本経済への影響から、日本国内では製造業の業績低迷や製造業に関する事業所数に減少傾向が見られる。経済産業省が2021年4月に発表した「全国企業短期経済観測調査」によると、企業の全般的な業況を示す日本銀行「全国企業短期経済観測調査」の業況判断DI は、大企業製造業においては、新型コロナウイルス感染症の感染拡大などの影響により、2020年第2四半期は11年ぶりの低水準となったほか、中小企業においては、製造業・非製造業ともに大企業以上の悪化幅となった。

オンワードデジタルラボは、「ヒトと地球(ホシ)に潤いと彩りを」提供することを存在意義として定め、アパレルやライフスタイルなど幅広い領域で人々の豊かな生活づくりへの貢献を目指しており、日本の職人たちが継承してきた技術と精神を国内外に広く発信し、全国各地の工場と共に持続可能なモノづくりを目指すD2Cサポートプロジェクト「CRAHUG」のスタートに至ったとしている。

コロナ禍で打撃を受けている生産者や工場が消費者へ向けてオリジナル商品を直販することにより、工場の経営基盤の安定化を目指す。また将来的には、海外への越境販売も計画しており、日本のモノづくりの高い技術や商品の魅力を発信していくとしている。

「CRAHUG」の開始にあたり、オンワードデジタルラボの「CRAHUG」プロジェクトリーダー酒見ひばり氏は、「2013年にオンワード樫山へ入社し、10年間基幹ブランド『23区』を中心にEコマース事業の推進拡大に邁進してきました。この春より実際に工場のある現地へ赴き、顔を合わせて話をすることで、職人一人ひとりのモノづくりに対する想いと技術力の高さを体感でき、自分のデジタルの経験値を活かして、この想いの熱さを熱いままユーザーへ伝えることが命題だと感じています。自分自身も消費者の一員として、物があふれている現代に物を買わない選択肢が増えていたり、買う理由を探している人も多いと感じています。この時代だからこそ、あえて『買う』応援を増やしていくことで、地方や日本のモノづくりが一層元気になるように尽力していきたいと思います」とコメントした。


オンワードデジタルラボ 「CRAHUG」プロジェクトリーダー 酒見ひばり氏

クリエイティブディレクターを務めるKAJIHARA DESIGN STUDIOの梶原加奈子社長は、CRAFTSMAN(職人)、LIFE(暮らし)とHUG(ふれあう)を組み合わせた名称であるという「CRAHUG」について、「作る人、使う人、すべての人と人とが手を取り合いながら、暮らしを大切にしていく未来を提案していきたい」という思いが込められているとし、「日本のクラフトマンが継承してきた匠のモノづくり。 長年積み重ねてきた知恵や工夫から毎日の生活によくなじむモノが作られ、便利な暮らしが育まれてきました。そしてこれからの未来。日本の工場も変化に挑戦し、つくることをつづけていくために、ファクトリーブランドとして自ら発信していく時代です。彼らが導く新時代の快適さや楽しさとは。『CRAHUG』は、未来づくりを考える工場と共に思考し、作る人と使う人をつなぐ架け橋となるために立ち上がりました。デジタルとリアルによる出会いに感動し『ひと・もの・こと』にふれて。これからの心が動く暮らしを届けていきたいと思います。」とコメントした。


KAJIHARA DESIGN STUDIO 梶原加奈子社長



【参画工場コメント】


木曽川染絨 安藤篤史社長

1950年に木曽川染絨を創業し、ニット生地の婦人ファッションのカットソー染加工というOEM業務を40年間行ってきました。しかしながら、結局どれだけいい商品を作ろうとしても、加工賃は下げられる一方、製品の価格は上がらない、材料費も人件費も上がっていく。どうやって会社を経営して残していくのかとなった時に、1番難しい道ではありますが自分のブランドを作って、自社で製造販売することが1番いいと、1度その険しい道に飛び込んでみようと思いました。「CRAHUG」に期待することは、「いかに消費者に自社ブランドのストーリーを伝え、繋いでもらえるか」です。




輪島キリモト 桐本泰一代表

石川県輪島にて、200年以上「木と漆」の仕事に携わってきました。木地業を生業にしながら、多くの力ある職人さん達と一緒に、木工製品や漆の器、小物、家具、建築内装材に至るまで、木と漆が今に暮らしにとけ込むようなモノづくりに挑戦し続けています。以前から海外からのお客様も少し増えていましたが、このコロナ禍において、暮らしを少しでも気持ち良くさせる日本の手作り品を国内外含めて発信してきたいと考えています。「CRAHUG」を通じて、日本国内のみならず海外のお客様との接点を増やしていきたいと思っています。




川北縫製 川北繁伸代表

1963年、香川県にて手袋製造業を創業し、その後新たにカットソー専門の縫製工場を1968年に設立しました。服の着心地は、見えないところへの気配りで決まる。だから、細部まで決め細やかに、きっちりと縫い上げる。どんなに手間がかかっても、決して手を抜かず、とことんまで、こだわり抜く。私たちは、こんな思いで、日々、服づくりに取り組んでいます。私たちが、なぜ、こだわるのか?それは、日本製の誇りを、もう一度取り戻したい。細部にこだわり、最高の着心地の服を世に届けたいと思っているからです。「CRAHUG」を通じて、日本製の良さをもう一度知ってほしいと考えています。




RECOMMEND合わせて読みたい

RELATED関連する記事

RANKING人気記事