2021.07.28

物流ロボットと自動化が未来のEコマースを再構築【「オートストア・システム 鴨弘司社長」連載第2回】


③インストアオーダーフルフィルメント


あらゆる種類のオーダーフルフィルメントの需要が高まる中、ブランドは、さまざまなフルフィルメントの手法を試しています。その中でも、インストアオーダーフルフィルメントは増加傾向にあります。これは、オンラインの注文を、倉庫ではなく、実店舗で処理するものです。

在庫があれば、店員が商品を梱包し、倉庫ではなく実店舗から配送の手配をすることは比較的容易です。ZARA、Old Navy、LOFTなどのブランドは、すでに店頭在庫を利用してECの注文を処理しています。 

しかし、これは最も効率的な方法とは言えません。なぜなら、主に二つの理由があるからです。一つ目は、多くの場合、顧客に最も近い実店舗で注文を処理するのではなく、商品の在庫がある実店舗で注文を処理しているからです。

その店舗には注文した商品が一つしかなく顧客が商品を五つ発注した場合、五つの商品が5回に分けてお客さまのもとに届くこともありえます。これでは、お客さまには不満が募ってしまいます。小売店にとっては送料が増えてしまい、利益率に影響を与えます。

インストアオーダーフルフィルメントは、成長中のトレンドではあるものの、持続可能なトレンドとは言えません。ブランドは、サプライチェーンのサイロ(情報のみ連携)を取り除き、どこにいても、存在感を発揮できる方法を見つけなければなりません。

ただ、こうした課題や新しい試みは、企業が日々のオペレーションをどのように運用するかについて、新たなアプローチの検討・推進を促します。特に、物流センターの安全性と効率性をどのように確保するかには、新しくチャンレンジする余地を与えてくれるでしょう。もはや大規模な倉庫や配送センターに依存することなく、自動化に目を向けようとする企業が増えているのです。

倉庫にピッキング用ロボットを導入し、ロボットが作業員に商品を届ける仕組みを導入することも、作業員の歩行時間や、作業員間の接触を軽減することにつながります。

実際に、ロボットや自動化の導入は、小売企業が市場における優位性を確保し、競争力を維持することを支援します。

私たちがEコマースの未来を想像し、定義していく中で、ロボットのようなテクノロジーを導入することは、オーダーフルフィルメントと購買行動を再構築することになるでしょう。

では、それはどのようなものでしょうか? 

それは、配送センターの倉庫をわずかなスペースで利用できるようになるのです。(つづく)




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