2021.07.30

【データで分析!EC商戦】「2021年母の日」ギフト系食品市場にコロナの追い風続く 雑貨ジャンルは売り上げ前年割れも

【母の日EC商戦】ギフト系食品市場にコロナの追い風続く 


2021年の母の日EC商戦は、2020年に引き続き、コロナ禍の影響が強く反映された結果となったようだ。ECに関するデータ収集・分析を行うNint(ニント)によると、ある大手ECモールにおける、母の日関連商品(商品名に「母の日」と設定している商品)の売り上げは、食品ジャンルが前年比5%増となったという。ソーセージやハムのECを運営するSAIBOKU(サイボク)では、2020年の母の日の売り上げが2019年比で3倍以上に伸長。2021年も10%増となったという。一方、帽子や日傘といった雑貨ジャンルでは、外出自粛の影響で、2021年の売り上げが前年割れとなったケースもあったようだ。


コロナ禍2年目も食品EC市場5%増


Nintのデータによると、ある大手ECモールでは、2021年の母の日商戦の食品ジャンルの売り上げが前年比5%増となった。

振り返ると、2020年の母の日商戦は、コロナと外出自粛の影響で、食品EC市場が急拡大。母の日に向けた売り上げが、2019年比で2~5倍に伸びたという企業もあった。

2021年は、「母の日商戦に向けた在庫や受注体制を整えた」といった食品EC会社が多かったようだ。「広告費を抑えつつ、売り上げが増加した」といった声も聞かれた。

毎年、母の日商戦の売れ筋商品ランキングで1位になる、さくらんぼのECを運営する竹城青果では、コロナの影響で2020年に、売り上げが大きく伸長した。2021年も引き続き伸びているという。

 
竹城青果のさくらんぼ

レブニーズが販売する「北海道の厳選海鮮7点セット」は、Nintがまとめた、2021年の「母の日売れ筋商品ランキング」で3位に入った。同商品は、2020年に、母の日の売り上げが、前年比で2倍に伸長。2021年の母の日の売り上げも、2020年を大幅に上回ったとしている。

レブニーズでは、2021年の母の日に向けて、楽天市場内の母の日特集の広告枠に広告を多数出稿したほか、楽天以外のウェブ上の広告から、楽天市場の商品ページへ誘導する導線も設けたとしている。レブニーズでは、楽天市場内外の広告戦略を展開しつつ、同業他店の転換率の高い商品ページの研究・分析などを行い、自社のECサイトに反映させているという。


レブニーズが販売する「北海道の厳選海鮮7点セット」

ハムやソーセージのECを運営するSAIBOKU(サイボク)では、2020年の母の日に向けた4~5月の売り上げが、2019年比で3倍になったという。2021年の母の日商戦は、2020年比で10%増となったとしており、引き続きコロナ禍の追い風が続いているという。Nintのデータによると、大手ECモールの母の日商戦における、SAIBOKU(サイボク)の主力ギフトセットの「サイボク×コエドビールセット」の売り上げランキングの順位は、2020年が33位だったところ、2021年は12位へと躍進している。


SAIBOKUの「サイボク×コエドビールセット」

SAIBOKU(サイボク)では、2020年の父の日や中元商戦で出荷数が大幅に増加した経験があったことから、2021年の商戦に向けて出荷オペレーションを整備したという。銘柄豚「サイボク ゴールデンポーク」ブランドやビールをペアにしたギフト商品の認知が拡大したこと、女性のビール需要が増加していることなど、売り上げ増加には複合的な要因があるとしている。サイボクハムでは、楽天市場内での広告出稿を現在のところ行っていない。そのため、広告出稿を今後行っていけば、さらなる売り上げ増加が期待できそうだ。

※本記事で使用したデータは、Nintが提供するデータ分析サービス「Nint ECommerce」を活用して得た。「Nint ECommerce」では、楽天市場やアマゾン、ヤフーショッピングといった主要ECモールの分析が行える。ジャンルの売り上げや個別の商品の売り上げを分析できるだけでなく、ショップごとの売り上げや、出店店舗別の広告の出稿状況のデータも収集できる。モール内のジャンルごとのトレンドや、競合他店の売れ筋商品の変化、広告出稿状況を分析することが可能だ。

Nint ECommerce→https://www.nint.jp/ec/

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