2021.07.30

【データで分析!EC商戦】「2021年母の日」ギフト系食品市場にコロナの追い風続く 雑貨ジャンルは売り上げ前年割れも

【母の日EC商戦】ギフト系食品市場にコロナの追い風続く 

 

食品と対照的な雑貨ジャンル


母の日商戦の雑貨ジャンルの商品は、食品とは対照的だ。Nintのデータによると、大手ECモールの「バッグ・小物・ブランド雑貨」ジャンル全体の2020年の母の日商戦の売上高は、2019年比で20%減となった。2021年は、2020年比で4%減となっており、需要の減少に歯止めがかかっていない状況だ。

楽天市場の2020年の母の日商戦で、「バッグ・小物・ブランド雑貨」ジャンルで売れ筋商品ランキング1位を獲得した、帽子屋QUEENHEADのレディースつば広帽子「フルーフキャスケット」は、2020年4―5月の2カ月間で、約3500個を売り上げたが、売り上げは前年同期間比で3%減少したという。2021年の母の日商戦に至っては、前年同期間比で売り上げが33%減少したとしている。需要の減少の要因は、コロナによる外出自粛で帽子の需要が減退したことがあるとしている。


帽子屋QUEENHEADのレディースつば広帽子「フルーフキャスケット」

同社では、2020年のコロナ禍突入後すぐに、帽子の需要の減少を予測。広告費を抑え、利益を確保する戦略にかじを切ったという。

帽子屋QUEENHEADによると、帽子のEC市場に関しては、コロナの影響で全国的に実店舗での需要が減少したことから、メーカーの新規参入が相次いでいるという。帽子屋QUEENHEADでは、競合他店との差別化を図るため、Nintのデータを活用しているという。絶えず売れ筋商品ランキングの確認などして、売り上げ予測などに生かしているという。

折り畳み傘「makez.(マケズ)」を販売するソレイユでは、2021年4-5月の2カ月間で、同商品を1万個以上販売し、2021年の雑貨ジャンルの売れ筋商品ランキング1位を獲得した。ソレイユでは、緊急事態宣言と外出自粛の影響で日傘の需要が減少。2020年5月度の売り上げが前年同月比で50%ダウンになったという。ただ、2021年は回復傾向にあるとしており、2021年5月度の売り上げは前年同月比で69%上昇した。7月度は同2倍になる見込みだとしている。


ソレイユの折り畳み傘「makez.(マケズ)」

今回取材に応じた母の日商戦に挑戦するEC各店舗は、2022年以降の母の日のEC市場はさらに拡大するとみている。SAIBOKU(サイボク)では、「コロナによる突発的なEC需要は一定のラインで落ち着くが、コロナ前後で比較するとユーザーは確実に増えた。まだECで展開していない商品を投入するなど、顧客満足度向上を図る」(埼玉種畜牧場 外販・通販営業部 山口大介統括マネージャー)としている。ソレイユでは「母の日のギフト商品については、定番の仕様を残しつつ、セット内容を変えるなどして、予算別の選択肢を増やし、競合他店との差別化を図る」(ネット事業部 若山佳友氏)としている。

 

※本記事で使用したデータは、Nintが提供するデータ分析サービス「Nint ECommerce」を活用して得た。「Nint ECommerce」では、楽天市場やアマゾン、ヤフーショッピングといった主要ECモールの分析が行える。ジャンルの売り上げや個別の商品の売り上げを分析できるだけでなく、ショップごとの売り上げや、出店店舗別の広告の出稿状況のデータも収集できる。モール内のジャンルごとのトレンドや、競合他店の売れ筋商品の変化、広告出稿状況を分析することが可能だ。


Nint ECommerce→https://www.nint.jp/ec/

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