ファーストフードやスイーツなどの飲食店のテイクアウトで、「モバイルオーダー(ネット注文)」と、「ネットでの事前決済」の利用の割合が増加している。モスバーガーを運営するモスフードサービスでは、2020年の、ネット注文による売り上げが、前年比で約2倍となったいう。コロナ禍を背景に、店頭で待たずにスムーズに商品を受け取りたいという需要が増えていることが要因だ。ネットでの事前決済では、定番のクレジットカード決済に加えて、PayPayなどのID決済を拡充する動きがある。多様な決済手段を搭載することで、顧客の利便性向上につなげたいという企業が多いようだ。
事前決済比率が50%から増加中
モスフードサービスは、モバイルオーダーサービス「モスのネット注文」を2015年2月に、モスバーガーの全店で開始した。コロナ禍と、モバイルオーダーの認知度の向上により、「モスのネット注文」の2020年度の売り上げは、2019年度比で2倍となったとしている。テイクアウトからモバイルオーダーへと切り替えた顧客が多かったほか、モバイルオーダーをきっかけに新規顧客となった人も少なくなかったという。
「モスのネット注文」では現在、店頭での決済と、ネットでの事前決済の両方を利用できる。事前決済の利用率は約50%。事前決済では、クレジットカード決済、ApplePay、モスカード(専用のプリペイドカード)を使えるようにしている。ネットでの事前決済の利用率が増加していることから、PayPayなどのID決済の導入を積極的に検討しているという。
7月から全店でPayPay利用可能に
ワタミが運営する唐揚げのテイクアウト「からあげの天才」は2020年4月、公式ウェブサイトから事前注文が行えるモバイルオーダーサービスを導入した。店舗によってばらつきがあるが、利用客の1~2割がネットの事前注文を利用しているという。
「からあげの天才」では、ネット注文の比率を増やすことを目的に、6月18日、公式スマホアプリをリリースした。7月1日には、全店で事前決済にPayPayを利用できるようにした。今後も引き続き、顧客の利便性向上を図っていくとしている。