日本都市ファンド投資法人およびイオンモールは8月15日、大型ショッピングセンター「mozoワンダーシティ」（名古屋市）において、同施設内の店頭在庫を販売できる店頭在庫型ECプラットフォーム「mozoPLUS（モゾプラス）」を開始する。いつでもどこからでも買い物やサービスの利用を可能にすることで、オンラインの顧客満足度向上と、専門店への新しい顧客コミュニケーションの場の提供を実現し、ショッピングセンター（以下：SC）における新しい販売体験・購買の仕組を提供する。地域に愛されている高い顧客ロイヤルティを活かし、新しい時代に安心かつ楽しく利用できる施設を目指す。
8月15日にスタートする「mozoPLUS」は、「mozoワンダーシティ」内の店頭在庫を販売できる店頭在庫型ECプラットフォーム。同施設内のオンライン販売契約を締結した専門店（テナント）のスタッフは、自店舗や本部等から出品することができる。CSVでの大量投稿に加え、CtoCアプリのような手軽なスマートフォン出品も可能、商品は1個単位から出品でき、サイズ・カラーなどの詳細を含むテナントスタッフのコメントなどを入力することができる。一方消費者は、「mozoPLUS」購入した商品を、自宅への配送、または「mozoワンダーシティ」内の店頭やカウンターなどで受け取ることが可能。
「mozoPLUS」のスマホ画面イメージSCに出店する専門店（テナント）の最大の課題は、店頭在庫の稼働であり、従来のSCでは限られた営業時間の中で最大販売数量を目指すことが求められていた。過去、SCのオンライン化やEC販売に挑む施設は多数あったが、その多くが倉庫委託型のフルフィルメントタイプ（完全委託）であり、テナント本部のEC事業と競業する。一方、「mozoPLUS」は、リアル店舗にある在庫商品を活用し、店舗スタッフと共に店舗売上を向上することにこだわり、自社ECの増加や新型コロナウイルス蔓延に伴う社会不安が拡大する中でも、SCとして最大の価値を発揮すべく、新しいシステムを開発したとしている。
「mozoワンダーシティ」で利用できる「mozoメンバーズカード」と「mozoアプリ」は、現在合わせて20万人以上の会員がいる。「mozoPLUS」では、ポイントやmozoアプリ会員情報の連携を行い、リアルSCでの買い物とmozoPLUSを介したオンラインでの買い物のどちらでもポイントを利用し、貯めることができる。顧客の利便性向上はもちろん、購買データを蓄積し、SCおよび専門店の販売促進にも活用することで、商圏の顧客に合わせたカスタマイズと満足度の高いSC運営を行っていくとしている。
「mozoPLUS」における商品の配送については、館内物流連携による店舗負荷の少ない独自運用を行う。商品情報の連携等は常時データにて行われ、注文確定後には、館内を巡回しているワールドサプライ社の物流専属スタッフが商品をテナントの店頭まで受け取りに行く仕組み。伝票記入の手間などを軽減することで、専門店の店頭在庫販売に集中できる体制を構築し、配送に至るまでをシステムにて対応する。
購入者の複数回受取のストレスを軽減する仕組を導入するため、テナントから引き取った商品は館内物流を担うワールドサプライ社専属スタッフによってセンターへ集められ、「mozoPLUS」のオリジナル包材に複数店舗の商品を同梱することで「おまとめ配送」を可能にした。館内には、おまとめ受取や返品等の対応を行う有人の受取カウンターの整備も予定している。さらに商品受取方法のひとつとして、受取ロッカーの導入も予定。営業時間にとらわれず商品の受取が可能になり、利用者の利便性を向上を図る。
商品受け取りまでの流れ動画投稿のストーリー型オンライン接客ツール「ザッピング」を搭載し、専門店スタッフによる動画・ストーリー投稿からの購買を可能にしたほか、動画ならではのメリットを活かし、ザッピング動画をSNSへシェアするなど、現代に合わせたスマートフォン仕様となっている。
ストーリー型オンライン接客ツール「ザッピング」採用「mozoPLUS」は、三菱商事・ユービーエス・リアルティが運用する日本都市ファンド投資法人における物件価値向上と、SC運営の可能性を広げるべく、SCおよび不動産運用とECシステム・物流に優れた各社の特性を活かすチーム体制を構築・開発しており、「mozoワンダーシティ」のみならず、三菱商事・ユービーエス・リアルティが運用するSCにて「店頭在庫型ECプラットフォーム」の開発・導入を検討している。
