2021.07.12

【2021年版】「化粧品通販売上高ランキングTOP86」発表 会員限定でTOP43をウェブ公開


「日本ネット経済新聞」の姉妹紙である「日本流通産業新聞」がまとめた「通信販売化粧品売上高ランキング」調査によると、2020年度の売上高は86社合計で9234億700万円となった。推定値や変則決算の企業を除く、前年調査と比較可能な22社による実質成長率はマイナス3.4%だった。前年調査の成長率よりも7.5ポイント下降した。各社はコロナ禍で、通販チャネルの強化とOMO(オンラインとオフラインの融合)を加速させている。



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店舗も運営している通販企業の全体売り上げは新型コロナの影響で前年を下回ったが、通販事業においては各社独自の強みを発揮しているようだ。通販と店舗の顧客リストを持つ企業は、OMOの時代に強みを発揮したという傾向が見て取れた。

ランキング1位となった資生堂は、商品を出品しているECプラットフォームでのライブストリーミングの配信によるファンづくりや、ECへの送客が進んだ。通販チャネルの大幅な伸長につながったとみられる。ファンケルは、通販と店舗の両方を使う顧客の継続率が、どちらか一方のチャネルのみを使う顧客と比べて1.5倍、年間購入金額は3倍に達するとしている。

化粧品通販市場の展望については、「メークは高い成長を見込めない。一方でスキンケアはコロナ禍の影響もあり、新たな肌悩みも生じていることから、メークよりは成長が期待できる。男性向けスキンケア市場の拡大も期待している」(ファンケル)とする企業が複数みられた。ニッピコラーゲン化粧品は、「化粧品全般は停滞傾向であるが、スキンケア商品についての需要にはやや期待する」とコメントした。

一方で、企業の中には「化粧品通販市場は拡大しづらい。通販以外の販路拡大が必要」との指摘もあった。ただ、バスケア・入浴剤を主力とする企業は「もともと多かったシニア層からの需要は今後も継続すると予想する」とみている。

今回初めて化粧品通販売上高ランキングに掲載した花王は3位となった。花王の前期の通販売り上げは、2020年12月期(通期)業績の「化粧品事業」と「スキンケア・ヘアケア事業」の売上高(海外含む)を合算し、そのうちEC売上高を本紙推定の形で算出した。

中国を中心にアジア諸国への展開が強まっている中、バルクオムは、越境ECよりも、「一般貿易で現地の国内市場向けにアプローチを仕掛けた方が経済効率は良い」との考えを示す。人口減や高齢化の影響で国内市場が拡大を見通せない状況の中、海外が突破口を開くとみる動きは加速しそうだ。

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