2021.07.03

サラリーマンがお詫びに購入?!新正堂の「切腹最中」はコロナ禍もネット通販で人気 EC売上は1.4倍増

新正堂の渡辺仁久社長(左)と「切腹最中」(右)

和菓子の製造・販売を手掛ける新正堂は2015年から、自社ECサイト「新正堂オンラインショップ」を運営している。主な取扱商品は自社工場で生産している和菓子だ。最も人気のある商品は「切腹最中」。フェイスブックでの商品PRやメディアへの露出により、全国のサラリーマンや忠臣蔵のファンが商品を購入。2021年5月期のEC売上高は前期比約1.4倍に伸長した。

「切腹最中」とは現当主の渡辺社長自ら考案したオリジナル商品。商品誕生の背景には、「既存顧客から日持ちのする商品を作ってほしいという声が寄せられていた。それと忠臣蔵の浅野内匠頭が実店舗の近くで切腹したことを受け、日持ちのするもなかを選び、『切腹最中』と名付けた」(渡辺仁久社長)と語る。


渡辺仁久社長

主に忠臣蔵のファンが購入するだろうと予測し生産した「切腹最中」。しかし実際には、サラリーマンがお詫びの品として購入することが多い。

「1990年に『切腹最中』が誕生したが、何年か経った後、証券会社の支店長が来店された。仕事でミスをしたため、お詫びの品を探していた。遊び心があると思い、切腹という言葉が入っている同商品を勧めた」(同)と話す。


人気商品の切腹最中

その後、支店長が再来店。商品名のユニークさから取引先から激怒されることはなかったという。それ以降、「切腹最中」の新たな価値に気付き、謝罪の品として自社ホームページ・ECサイト・フェイスブックを活用し、同商品のPRに注力した。PRが奏功し、メディアに取り上げられていくことも増えていった。

1年を通じて最も売れる季節は毎年12月~3月だ。12月14日の討ち入りの日、年末のサラリーマンのあいさつ、3月の浅野内匠頭が切腹した日はEC・実店舗ともに最も購入数が伸びる。

年末から3月にかけては、1日7000個を販売する日もあるという。浅野内匠頭が切腹した3月14日には実店舗で購入し、彼が切腹した場所を訪れるファンも多い。

今後は、若い世代にも同商品を含めた和菓子を届けていきたいと考えている。自社工場の見学を通じて、小・中学生の和菓子やあんこに対する意識変革を目指していく。


「新正堂オンラインショップ」
https://shinshodoh.shop-pro.jp/




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