2021.06.29

【SUPER STUDIOに事業展望を聞く】1年で導入倍増、資金調達で「認知」「開発」加速

SUPER STUDIO 共同創業者・取締役CRO 真野勉氏(写真左)、business development group SDR unit マネージャー 吉田光氏(写真右)

ECソリューションマップ2021【ECサイト構築サービス編】


D2C支援やEC基幹システム「ecforce(イーシーフォース)」を展開するSUPER STUDIO(スーパースタジオ)は6月9日、第三者割当増資により、総額18億円の資金を調達したと発表した。高い開発力と自社で培ったD2Cノウハウを武器に、「ecforce」の導入サイト数は1年間で約2倍増となり、400件を突破した。勢いに乗るSUPER STUDIOの共同創業者・取締役CROの真野勉氏と、business development group SDR unit マネージャーの吉田光氏に、資金調達の狙いや事業展望を聞いた。


――ここ1年間で「ecforce」はどう成長しているのか?

真野:以前は「ecforce」を知らなかったが口コミで聞き、直接話を聞いてみたら良さが分かったというような事業者さまが多かった。ここ1年間で明確に「ecforce」を知ってくれている方が増えた。D2Cブランドの立ち上げや、EC事業への参入、他社サービスから乗り換えの際に検討するソリューションの候補に「ecforce」が挙がるケースが増えている。


共同創業者・取締役CRO 真野勉氏

吉田:比較されるソリューションも変わってきている。これまでは単品リピート通販の事業者さまが「ecforce」を検討してくださる機会が多く、リピート通販向けのカートシステムと比較されることが多かった。それがD2Cの業種や商品などの形態が広がってきたことで、カートの選択肢も広がってきている。ブランディングが実現できるのか、CRMが取り組みやすいかといった視点で、「ecforce」を選んでくださるケースが増えている。


顧客対応を自動化するチャット機能を提供


――特に強化している機能は?

吉田:昨年7月、パーソナライズシステム 「1d color(ワンディー・カラー)」をリリースした。顧客が質問に答えるだけで自身に合ったサプリメントや化粧品などを見つけることができるプロダクトだ。パーソナライズのニーズが高まっているが、自分たちで仕組みを構築しようとすると、エンジニアのリソースがない、外部ソリューションをカートと連携しようとしてもデータ連携がうまくいかないといった課題が生じる。そういった課題を解消するため、SaaSとしてパーソナライズの仕組みを作れるシステムを構築しようと考えた。「ecforce」でためている自社の顧客データと連携できるため、ユーザーの声に基づいて商品をレコメンドし、満足度を高めたり、蓄積した顧客のデータを基に新商品開発に生かしたりできる。


business development group SDR unit マネージャー 吉田光氏

他にも「talkmation(トークメーション)」という、購入を完了したお客さまとのリレーションを築いていくためのプロダクトも開発した。これまで定期購入の解約や変更については、電話でしか対応しないケースが多かった。顧客にとって電話はハードルが高く、事業者側も対応する手が回らない。そこでチャットで顧客対応できる「talkmation」を開発した。解約を希望する方には、理由をお伺いし、費用がネックであれば安価なコースをご案内したり、商品が余ってしまっている方には商品お届けの期間を変更したり、手軽にコミュニケーションを図ることで、継続率を高めることもできる。こうしたコミュニケーションを「ecforce」の顧客データとひも付けて対応でき、自動化できる部分は自動化し、労力を減らすこともできる。

真野:管理画面のUI(ユーザーインターフェイス)を一新した。6月ごろから順次、切り替えられるようにしている。「ecforce」の機能が増えすぎたが故に、管理画面が直感的に見づらいという課題があった。新しいUIでは要素をコンパクトにまとめ、効率的に集約している。各機能を色分けし、直感的に確認でき、導線を分かりやすくした。


管理画面のUI(ユーザーインターフェイス)を一新

吉田:アプリ管理機能では、無料で使える機能やオプションで使える機能を申し込むことができる。使わない機能は表示されないし、必要なものを自由に追加できる。導入企業ごとにカスタマイズされた画面を作ることができる。

――カートベンダーが周辺ソリューションを開発するケースが増えている。「ecforce」の狙いは?

真野:他社は周辺ソリューション単独で売り上げを拡大させようという狙いも見えるが、当社は「ecforce」の導入企業さまの業務を効率化したり、売り上げを上げたりするために周辺ソリューションを開発している。もちろん外部ソリューションとの連携も進めているが、必要なものはなるべく当社で開発することで、導入企業さまの運用や請求管理などの負荷を下げられるようにしたいと考えている。

――運用支援やコンサルティングの部分も強みだと思うが、他社との違いは?

真野:明確に違うのは自社でD2C事業を運営していること。そもそも「ecforce」を開発したのは、自分たちで化粧品の販売を手掛けていたからだ。最近は白スニーカーや猫砂、子ども向けの絵本プロジェクターなどを展開している。どうやってお客さまに届けるか、売り上げを伸ばしていくか、自分たちがPDCAを回しているからこそ言えることがある。導入企業さまに実際の数字を持って話せるのは強みだ。

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