「カートシステム」ともいわれるECサイト構築サービスの最新状況や主要サービスの戦略を取り上げる。カオスマップはECのウェブメディア
「eコマースコンバージョンラボ(eccLab)」と共同でまとめた。まずは業態業種を問わず活用できる「総合カート」を取り上げている。「リピート通販」「BtoB」「越境EC」を対象とした「専門カート」も今後、取り上げる。コロナ禍でEC市場が活性化する中、各サービスとも導入店舗数を拡大している。市場に追い風が吹く中、シェア争いは激化している。注目サービスのキーマンに直近の実績や展望を聞いた。
<2021/6/30更新>
【「ECサイト構築サービス」カオスマップ】 <総合カート> 2社が上場、カートシステムの好調さ印象付ける
昨年はSaaS型ECサイト構築プラットフォーム「futureshop(フューチャーショップ)」を提供しているフューチャーショップの親会社や、クラウドECプラットフォーム「ebisumart(エビスマート)」を提供するインターファクトリーが株式上場を果たした。2社の上場は、カートシステムの好調さを印象付けた。
カートシステムへのニーズが拡大する中、各サービスのシェア争いは新たなステージに突入している。
有料プランがベースのカートASPでサイト構築数トップの「カラーミーショップ」は今年5月、固定費無料の「フリープラン」の提供を開始した。「BASE(ベイス)」や「STORES(ストアーズ)」など固定費無料で利用できるカートASPに対抗している。
「ebisumart」追随する動き目立つ
カスタマイズ対応のクラウド領域では、サイト構築数でトップの「ebisumart」を追随する動きが目立った。Eストアーの傘下に入ったコマースニジュウイチは今年4月、クラウド型ECサイト構築サービス「ECo2(エコツー)」の提供を開始した。
GMOメイクショップと子会社のGMOシステムコンサルティングは今年5月、3つの中・上位向けのソリューションを統合して「GMOクラウドEC」の本格提供を開始した。
このサービス統合は、「ebisumart」だけでなく、パッケージ最大手の「ecbeing(イーシービーイング)」の牙城も崩すことを狙った戦略的な取り組みだといえる。
各社の競争の背景には、黒船といわれる「Shopify(ショッピファイ)」の存在も見え隠れする。自社の魅力を磨き、国内市場でシェアを高めることで、「Shopify」の市場切り崩しを防ぎたい考えもあるだろう。