ネットショップの運営代行などを手掛けるワンプルーフは2020年から、新型コロナウイルスの影響で受注が増加しているクライアントに対して、在庫管理を徹底する戦略を提案してきた。コロナ禍で受注が大幅に増加した、衛生用品メーカーのSARAYA(サラヤ)に対しては、将来の販売状況の的確な予測を行い、在庫切れを回避する提案を行ったという。ワンプルーフECソリューション事業部の宮崎洋史サブマネージャーに、コロナ禍のネットショップ支援の戦略について聞いた。
「必ず届ける!」を共有――新型コロナウイルスは、クライアントのEC企業にどのような影響を与えましたか?影響としては、大きく分けて、①巣ごもり需要などで受注が増加した ②実店舗の売り上げが減少し、ECへの期待値が上がった――という2つが多かったです。当社では、ネットショップ運営代行のノウハウを基に、適切な戦略を提案しています。
法人向け卸を中心に行う衛生・生活用品メーカーのSARAYA(サラヤ)の事例があります。サラヤは、コロナでBtoB‐ECの受注数が平常時の数倍になりました。一方で、消費者向けに展開してきた楽天市場店では、すぐに在庫切れになってしまいました。ハンドソープ100個が、販売開始から30分で完売してしまったこともありました。
認知度が高いブランドを持つメーカーですから、受注や配送トラブルは、ブランドの棄損につながります。受注の増加で対応が追い付かず、売り越し(注文が入ったのに在庫がなく発送できない)になってしまう事態は絶対に避けたいと考えていました。「顧客に確実に届ける」という使命感を持っているメーカーなのです。
当社では、メーカーに対する詳細なヒアリングを行い、数週間先まで販売予測を行いました。「○月×日には△個の在庫を用意できますか」などといった、在庫のマイクロマネージメントを実施したのです。
特殊な状況下ですが、”アフターコロナ”を意識した商品開発の提案も行いました。新規顧客向けの、セット商品や組み合わせ商品を開発したのですが、一定の支持を得られたと思います。
こうした取り組みを1年間続けた結果、BtoCブランドとしてのサラヤとしての認知度が上がってきています。
当社では、クライアント企業が持つ使命感や責任といった、事業に対する温度感を共有することを大事にしています。
サイトへの導線設置も提案――実店舗の売り上げが減少した企業へはどのような対応を。アパレルやスポーツブランドでは昨年、店舗の流通が減少したクライアントが多かったです。こうした企業でも、ECの売り上げは維持しているというケースが多く、社内のECに対する期待値が全体的に上がったと感じます。
そういった企業に対して、当社では例えば、実店舗で売り出そうとしていた商品をECで販売するためのキャンペーンを実施することなどを提案しました。そうした場合は、ECサイトでキャンペーンを告知するだけでは不十分です。実店舗に来店する予定だった顧客にも情報が適切にリーチするよう、LINEなどさまざまなチャネルから、ECサイトへの導線を設けることを提案しています。
あるアウトドアブランドの公式ECサイトの事例では、こうした導線を設けてキャンペーンを実施したことが奏功して、目標の2倍の売上高を挙げることができました。店舗での業績が厳しい中、直販店舗を持つ強みを生かしたEC戦略を、日々提案しています。
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