2021.06.03

ユナイテッドアローズ、上場来初の最終赤字もEC売上11.7%増 OMO基盤を整備、デジタル施策に期待

ユナイテッドアローズの2021年3月期連結業績は、売上高が前期比22.7%減の1217億1200万円、当期損失は71億9700万円だった。1999年の株式上場以来、初の赤字となった。EC売上高は同11.7%増の326億3000万円だった。コロナ禍で業績不振に陥る中、ECの存在感が増している。
 
事業全体に占めるECの売上比率は、同9.4ポイント増の32.0%になった。自社ECサイトは前期に約2カ月半の停止期間があったこともあり、売上高は同63.4%増と大幅に増加した。
 
コロナ禍に店舗スタッフなどによるライブ配信やLINE接客を強化した。実店舗の営業が制限される中でも、店舗の人材を活用し、ECサイトの売り上げ拡大に注力した。
 
4月にDX推進室を新設した。2022年3月までに自社ECサイトのリニューアルを予定しており、段階的にオムニチャネルやECの機能・サービスを強化していく考えだ。


【記者の目】OMO基盤整備の準備着々

ファッション業界はコロナ禍の影響を大きく受けた業界の一つだ。ユナイテッドアローズもリアル店舗を中心にダメージを受けた。
 
収益改善のためにDX推進室を設け、OMO(ネットとリアルの融合)を進める。DX推進センターの担当本部長としてコメ兵で実績を積んだ藤原義昭氏を招聘(しょうへい)した。
 
これまでEC事業を強化してきたが、OMOの基盤となる自社ECサイトの整備には苦戦してきた。ただ、経験豊富な藤原氏が来たことで、基盤整備は順調に進みそうだ。
 
もともとセレクトショップとしての認知度やブランド力はある。今後のデジタル戦略、OMO施策には大きな期待が持てる。



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