2021.05.21

STANDAGEと山九、業界初の物流費用のデジタル通貨決済サービスを開始 輸送時間の短縮と金流の簡便化を支援

デジタル貿易総合サービス「DiGiTRAD(デジトラッド)」を提供するSTANDAGE(スタンデージ)と、総合物流企業の山九は5月19日、物流業界初の試みとなるデジタル通貨を活用した物流費用の決済サービスを開始した。両社の持つ強みを活かし、物流における輸送時間の短縮と金流の簡便化を支援する。

STANDAGEと山九は、2020年3月に資本業務提携を行い、暗号資産を活用した貿易決済サービスを強みとするSTANDAGEの貿易総合プラットフォーム「DiGiTRAD」と、山九の強みである国際物流サービスを連携。安心・安全・簡単に貿易を行える国際輸送サービスの構築、物流業務のDX化を共同で進めている。

2021年2月からは、アフリカ最大の経済大国ナイジェリアと日本間の国際輸送において、物流業務を担う山九への物流費用の決済にデジタル通貨を活用する4回の実証実験を実施。「ノーマルな暗号資産決済」として行った同実験の流れは、最初にバイヤー企業が商品代金をデジタル通貨USDCoinにて、ブロックチェーン上のデジタル金庫にデポジットしてから、セラー企業が商品を発送、バイヤー企業が商品を受け取る。その後、セラー企業・バイヤー企業両社の鍵を用いデジタル金庫から商品代金を引き出し、セラー企業に支払いを行い、セラー企業はUSDCoinにて物流費用を山九に支払うというもの。暗号資産を用いるメリットとして、支払い手数料の削減、送金のスピード化、取引の明瞭化が期待できるとしている。

実証の結果、物流費用の決済方法として支障なく実行できたとし、このほどデジタル通貨を活用した物流費用の決済サービスを開始した。これまでの貿易は、輸出国と輸入国の二カ国で完了することが通常だったが、近年は多国間の自由貿易やサプライチェーンの発達により、三国間輸送を行うケースが増えているという。日本においても、海外生産拠点を展開する企業が増えたことにより、三国間輸送のニーズは増加しているとし、三国間輸送のメリットである物流の輸送時間の短縮に加え、暗号資産の強みである安全・安価・迅速な支払いを実現した同サービスの提供により、金流(お金の流れ)の簡便化を図るとしている。



今後両社は、「DiGiTRAD」のブロックチェーン技術を基盤とした貿易決済システムのデジタル金庫(エスクロー)を活用し、貨物配送のステップに応じてデジタル金庫から自動的に物流費用が支払われるスマートコントラクトを活用したシステムの構築に取り組んいくとし、決済×物流の自動化により、物流業務のDX化を目指す考えを示した。




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