2021.05.14

【「美白美肌化粧品」特集インタビュー】ミリオナ化粧品 阪本雅哉社長「独自の美肌素材の開発にも着手」

阪本雅哉社長


化粧品OEM会社のミリオナ化粧品は、医薬部外品の開発に強みを持つ。話題の薬用有効成分「ナイアシンアミド」を配合した美白化粧品の開発にも成功しており、ダブル有効成分の薬用化粧品の承認も得ている。効能効果をうたえる薬用化粧品をスピーディーに開発できる。一方で同社では、「サトウキビ葉エキス」など、独自の美肌素材の開発にも着手している。直近では、「北海道の雪解け水」の化粧品への応用の研究も進めており、北海道に工場を建設する計画だという。「北海道の雪解け水」は、美白化粧品の良好なイメージづくりにも大きく貢献しそうだ。「現在は岡山工場の増設に取り組んでいる」と話す阪本社長に美白美肌化粧品の開発から今後の戦略までを聞いた。

――美白美肌化粧品の開発について話を聞きたい。

まず、美白化粧品というところでいうと、当社では薬用化粧品の開発を積極的に進めており、美白分野でも多くの承認済み処方を持っている。特に、最近注目されているナイアシンアミド配合の美白化粧品についても、多様なバリエーションの薬用化粧品を開発して承認を得ている。「ナイアシンアミド+グリチルリチン酸」のダブル有効成分のものでは、シワ改善・美白・抗炎症の三つの効能を同時にうたうことができる。ナイアシンアミドについては、にきびに対する効能をうたえるものや、トリプル有効成分のものなど、特徴のある多様な薬用化粧品の開発にも成功している。既存処方を活用すれば、薬用化粧品を迅速に開発することができる。

――美肌化粧品についてはどうか。

多様な美肌化粧品を提案できる体制を整えているが、特に最近力を注いでいるのが、独自素材の開発だ。

例えば、当社の独自素材である、サトウキビ由来の黒砂糖エキスは、1トンの原料からわずか数十グラムしかとれないという希少性の高い原料だ。大阪医科大学と大阪薬科大学が統合して4月に発足した大阪医科薬科大学でも、現在、構造の解析や細胞試験などの研究を進めていただいている。黒砂糖エキスについては、医薬部外品の添加剤としての前例も持っている。

サトウキビ由来の原料としてはサトウキビ葉エキスの新規開発も進めている。成分分析からは、食物繊維、タンパク質、ミネラル、ビタミンA・C・E、フェルラ酸などの含量が、他の青汁製品よりも優れていることが分かってきている。安全性・有効性の両面から、研究を重ねている段階だ。パッチテストではすでに、安全性を確認している。健康食品・化粧品の両面で、大きな可能性を秘めた素材だと考えている。

もう一つ、開発に向けた取り組みを進めている原料として、「北海道の雪解け水」がある。融雪水を逆浸透膜でろ過して使用する。そのため、安全性も高い。北海道の空知郡の美唄市の融雪水ということでとてもイメージが良いのが特徴だ。「美白」イメージの化粧品にも、雪解け水は最適だろう。サステイナビリティー(持続可能性)への貢献といった側面も訴求しやすい。

北海道の美唄市と共同で開発に取り組んでおり、すでにテストプラントも完成している。独自のINCI(インキ)登録も完了している。

本格的な工場を北海道に竣工する方向で進めている。早ければ来春にも、工場を竣工できるのではないかと考えている。

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