ヤフーの持ち株会社であるZホールディングスが4月28日に発表した連結決算によると、2021年3月期におけるEC関連サービス全体の取扱高(流通総額)は、前期比24.4%増の3兆2265億円だった。そのうち、「Yahoo!ショッピング」「PayPay(ペイペイ)モール」など物販ECを扱うショッピング事業(ECモール)の取扱高は同45.1%増の1兆5014億円に達した。
2019年10月に開設した「PayPayモール」や、同11月に連結子会社化したZOZO(ゾゾ)の「ZOZOTOWN(ゾゾタウン)」など、近年拡大した各事業の数値が初めて通年ベースで計上され、取扱高が大幅に拡大した。「PayPayモール ZOZO店」の売上高が、本店である「ZOZOTOWN」を上回る日が出るなど、後発サービスである「PayPayモール」の規模も拡大している。
グループ企業が手掛ける決済サービス「PayPay」を活用した大型販促企画が、EC関連サービスの利用拡大にもつながっている。運営する両ECモールでのインハウス決済比率(「PayPay」など自社サービスでの決済比率)は、「PayPay」導入前の2倍以上となる68.2%に達した。「『PayPay』を起点としたグループ経済圏が力強く拡大している。大規模キャンペーンは取扱高の押し上げに加え、中長期的なユーザーの基盤拡大につながる重要な施策の一つだと捉えている」(川邊健太郎社長)としている。
コマース事業全体の売上収益は同17.5%増の8402億円、営業利益は同45.7%増の1112億円だった。コマース事業にはショッピング事業の他に、「ヤフオク!」「PayPayフリマ」などのリユース事業、アスクルなどのコマース関連サービス、クレジットカードの決済金融関連サービスが含まれる。リユース事業の取扱高は同5.7%増の8502億円だった。「手数料引き下げなどにより競争力が向上し、取扱高が再び成長している」(同)と言う。
連結での売上収益は同14.5%増の1兆2058億4600万円、営業利益は同6.5%増の1621億2500万円だった。
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