2021.05.01

伊勢半本店、ECサイトの月商が前年比2倍に SNS販促が奏功

伊勢半本店 本紅事業部 島田美季部長

紅の製造・販売を手掛ける伊勢半本店は2006年から、自社ECサイトを運営している。コロナ禍において、SNSを活用したプロモーションが奏功し、昨年12月や今年1月の月商は、前の月を2倍以上上回る結果となっている。SNSの積極活用は、ユーザーが同社の商品をツイッターに投稿したのがきっかけだった。

紅とはベニバナから抽出した赤い色素のこと。伊勢半本店は希少な紅を原料とした、伝統的な口紅を取り扱っている。

一般ユーザーが2020年7月、同社が販売する口紅「小町紅(こまちべに)」についてツイッターに投稿した。これが6000件以上のリツィートと、2万件を超える「いいね」につながり注目された。これがきっかけで、ツイッターからECサイトへの流入が目立ったという。

ECサイトでの購入者は20~30代の女性が中心。ツイッター効果により、20年7月のEC売り上げは前年同月比の2倍、8月の売り上げは同1・3倍となった。
これを好機と捉え、12月にはSNSによるプロモーションを開始した。インスタグラムに商品の画像を投稿したほか、ユーチューブには同社の世界観を伝える動画をアップした。ユーチューブの動画再生回数は、2カ月間で20万件を超える結果となった。

「当社の製品はコンパクトで色彩豊かなデザインになっている。特にインスタグラムとの相性が良く、ECへの流入も多かった。ツイッターで注目され、SNSに注力したのは間違いではなかった」(本紅事業部・島田美季部長)と振り返る。

SNSを使ったプロモーションを行う前の2020年11月と比較して、12月の売り上げは2・5倍、21年1月の売り上げは2・7倍に伸長している。

従来の中心顧客は50~60代の女性だった。SNSにより20代の顧客を獲得できたことが大きいという。女性が自分用に購入するだけでなく、20代の男性が奥さんや彼女への贈り物として選んでもらったことも売り上げアップにつながっている。

今後の見通しについては「依然としてコロナウイルスの影響があり、店舗での売り上げは厳しい。引き続きSNSに注力していく。海外のお客さまに向けた動画配信なども行い、コロナウイルスが収束した後に来店してもらえるような施策をしていきたい」(同)と意気込みを語る。


「伊勢半本店オンラインショップ」
https://isehanhonten-onlineshop.com/




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