2021.04.26

【登録5000人突破】ポケットマルシェ、生産者の産直アプリの利用実態紹介 売上は前年比1.5倍に

ポケットマルシェはこのほど、生産者と消費者をつなぐ産直アプリ「ポケットマルシェ」において、2021年4月に登録生産者数が5000人を突破したと発表した。併せて「ポケットマルシェ」登録生産者へのアンケートを実施し、産直アプリの利用実態をまとめた。コロナ渦で生産者の直販利用が加速し、登録生産者の「ポケットマルシェ」経由の売上割合は前年比1.5倍となった。

【<画像14点>産直アプリ利用実態調査の結果はこちら】

産直アプリ「ポケットマルシェ」の登録生産者数は、2020年3月以降大きく伸び、2021年4月に5000人を突破した。その背景として、コロナ禍での収入減による販路拡大の一環として、「ポケットマルシェ」を活用する生産者の増加が考えられるとした。イベント中止や休校、飲食店休業等の影響で、生産者の販路が縮小し、食材の余剰在庫が発生した。新たな販路を開拓すべく、生産者が直販に取り組みはじめたことで、「ポケットマルシェ」への登録が増加したとの考えを示した。

今回公開したアンケートは、2021年3月6日~3月21日の期間、「ポケットマルシェ」登録生産者4984人を対象にアンケートを実施し、575人から回答を得たもの。アンケート結果からは、生産者の直販利用が加速しており、産直ECの市場が拡大傾向にあることがわかった。また、「ポケットマルシェ」に登録する50代以上の生産者の割合が、2020年の当社調査時と比較して16%増加しており、シニア層の生産者にも一次生産物販売においてIT活用が浸透していると考えられるとしている。

「ポケットマルシェ」が一次生産物販売全体の売上に占める割合は、昨年の7%から、今年は11%と4%増加し、前年比1.5倍となった。登録生産者経由で「ポケットマルシェ」を知った生産者の割合も増えており、生産者間でポケットマルシェを紹介する動きが増加しているとの考えを示した。

個々の設問については、「代表者の生産者年齢を教えてください」の問いでは、登録生産者の平均年齢は48歳。2020年の農業就業人口の平均年齢である67.8歳、2019年の漁業就業人口の平均年齢である55.8歳よりも若い生産者に、多く利用されていることがわかった。一方で、50歳以上の生産者の割合は43%と、2020年の当社調査時と比較して16%増加しているほか、前年調査時の登録生産者の平均年齢44歳から、平均年齢が4歳高くなっていることからも、シニア層の生産者にもネット直販が浸透し始めていることが推測されるとしている。

「ポケットマルシェ」を含めた一次生産での年間の売上規模を尋ねたところ、1000万円未満の中規模生産者が、63.4%と多くを占めた。一方で1000万以上の大規模生産者は36.6%と、2020年の当社調査時の28.1%から8.5%増加しており、大規模生産者にもネット直販が浸透していることが推測されるとしている。



新型コロナウイルスの影響を受けて取り組んだことを尋ねた問いで、最も多かった回答は「国や自治体からの補助金の活用」だった。「ITを使用した販売」と「ITを使用した情報発信」が次いで多く、コロナ禍をきっかけにITの活用が生産者の間に浸透し始めているとしている。

登録生産者の一次生産物売上に占める「ポケットマルシェ」の売上割合の平均は11%で、全カテゴリの割合の平均は2020年の調査時の7%から4%増加して前年比1.5倍となり、生産者の間で直販利用が浸透してきていると推測できるとしている。中でも魚介類は、前年調査時の5.3%から13.7%と、8.4%の大幅な増加となっており、コロナ禍で魚価が低迷した影響で、漁業者の直販利用が増加したと考えられるとした。



今後「ポケットマルシェ」以外で力を入れていきたい販路については、「自社/個人のウェブサイトSNS」に注力したいとの回答が17.6%と最も多い結果になった。次いで「直売所での販売」が13.5%、「メルカリや楽天、BASEなど販売プラットフォームを利用した消費者への直接販売」が12.4%という結果となり、現在の「ポケットマルシェ」以外の販路と比較すると、今後の販路として直販を志す傾向が見られた。



「ポケットマルシェ」を知ったきっかけとして最も多いのは、「ネット記事」経由、次いで「登録生産者から」という結果になった。「登録生産者から」の割合は2020年の当社調査時の16.1%から17.7%に増加しており、生産者同士で「ポケットマルシェ」を紹介する動きが増加していると考えられるとした。

「ポケットマルシェ」に申し込んだ理由を尋ねた問いでは、「スマホ・パソコン一つで簡単に出品できる」が最も多く、昨年1位だった「消費者と直接コミュニケーションがとれる」は、今年は次点となった。一方、登録後に感じた「ポケットマルシェ」の魅力については、「消費者と直接コミュニケーションがとれる」との回答が最も多く、利便性を求めて登録し、結果的にユーザとのつながりに魅力を見い出している生産者がいることがわかった。

「ポケットマルシェ」は、消費者が生産者に対して「ごちそうさま」を直接伝えたり、生産者が生産現場の様子を発信できるコミュニティ機能やメッセージ機能を提供することで、生産者と消費者のコミュニケーションを促進している。「ポケットマルシェ」で購入したユーザーとの関係について尋ねた問いでは、「ポケットマルシェ以外のSNSでもつながっているユーザがいる」と答えた生産者は32.2%、販売・発送以外のやりとりをするユーザがいると答えた生産者も27.5%となった。さらに実際にユーザが生産現場を訪れたことがあると答えた生産者も10.8%おり、ポケットマルシェをきっかけに生産者と消費者のつながりが深まっていることが考えられるとした。



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