博報堂グループの博報堂プロダクツは4月22日、社内のクリエイティブ×テクノロジー専門組織「ウラワザ」を通じて、専用アプリを使わず、Webブラウザ上からARでインテリアやプロダクトの試し置きが体験できるサービスの提供を開始した。ECサイトの買い物体験向上と返品による損失の減少を目指す。
このほど提供を開始したのは、専用アプリが不要のARを用いた試し置きサービス。専用アプリや専用のARマーカーを必要としないため、利用者は通常使用しているWebブラウザから、シームレスにAR体験に移行することができる。既存のWebサイトやECサイトに組み込み可能なため、新規のWebサイトの制作は必要なく、リンクボタンを取り付けるだけで既存のWebサイトやECサイトにAR体験コンテンツを追加することができる。これまで培った3DCGの知見を活かし、Androidスマートフォンでもサービスを体験できるオプションも提供する。
博報堂プロダクツでは、インテリアメーカーや家具販売店、家電メーカーや家電量販店のWebサイトやECサイトに加え、サイズ感を伝えにくい新製品の発表時などでの活用に加え、様々なデジタルシーンでの利用を提案している。また、グループ会社であるEmergeと連携したオフショアCG制作により、コストパフォーマンスが高い、大ロット制作などの要望にも対応可能としている。
近年、日本のEC市場規模は右肩上がりで成長しており、その中でもスマートフォン経由での購入は40%以上を占めるまでに高まっている。特に昨年から続く新型コロナによる外出自粛の影響で、今後もスマートフォン経由でのEC販売はさらに高まっていくことが予想される。こうした状況を受け、博報堂プロダクツでは、ARを使ってサイズ感や部屋に置いたイメージなどを体験することで、ECサイトでの買い物体験向上と、イメージの違いやサイズの間違いによる返品などの損失を減少させるため、本サービスの提供に至ったとしている。
博報堂プロダクツは今後も、ARコンテンツ開発支援サービスを通じて、DX時代の新しい前例をつくり、企業のさらなる成長に寄与していく考えを示した。