2021.04.23

「LEGO」、グループ売上2桁成長 ECアクセス数は2倍、「レゴスーパーマリオ」売上も予想の2倍に

2020年のヒットとなった「レゴスーパーマリオ」

レゴジャパンは4月22日、レゴグループが3月10日に発表した決算報告に加え、その背景や日本市場の状況、2021年の戦略について発表した。2020年度のレゴグループ全体の売り上げは昨年比13%増、販売額も昨年比21%増となった。利益も昨年比19%増の成長となり、レゴジャパンもレゴグループ全体の成長と同様に力強い成長を遂げた。2021年度は、「大人レゴ」、パートナー企業とのコラボレーションを引き続き強化するとともに、デジタル分野、サステナビリティへの投資も積極的に行っていく考えを示した。

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「2020年のレゴグループおよびレゴジャパンの振り返りとその背景」としては、デジタル分野の強化とブランドストアの拡充、大人レゴへの注力を挙げた。

デジタル分野の強化においては、新型コロナウイルス感染拡大の影響でECへの移行が加速し、小売業界が大きな転換点を迎えた2020年において、レゴグループでは、数年にわたる投資で自社のECプラットフォームをアップグレードした結果、「LEGO.com」へのアクセス数が2億6900万件となり、2019年の約2倍のアクセス数に達した。この傾向は2021年も継続していくとの考えを示した。

従来のブロックとデジタルの融合による新たなイノベーションを創出。2020年8月に発売した「レゴスーパーマリオ」の売り上げは、発売前の予想の2倍を越え、現在ではレゴを代表するシリーズのひとつになったとしている。


「レゴスーパーマリオ」がヒット

ECへの移行が進む一方で、買い物客やファンは店頭でのユニークで記憶に残る、没入型のブランド体験を求め続けているとし、レゴグループでは、ブランドストアの拡充も戦略の柱としている。2020年には、全世界で134店舗のレゴブランドストアをオープンし、そのうち中国では2つの旗艦店を含む91店舗をオープン。全世界のレゴブランド店舗数は678店舗となった。日本でも2018~20年で計21店舗が新規オープンしており、2020年10月には「レゴストア立川立飛店」、11月には「レゴストア 心斎橋店」、2021年3月には「レゴストア海老名店」を開店した。

さらに2020年にレゴグループが成長した要因のひとつとして、大人をターゲットとした「大人レゴ」の注力を挙げた。マーベル、スター・ウォーズのキャラクターや、アンディ・ウォーホルの絵画をかたどった新しいレゴアート、レゴグループ初のピアノセットであるレゴアイデア グランドピアノ等、大人の趣味嗜好にフィットする商品を発売し、大きな反響を得た。日本におけるレゴの商品は「子どものおもちゃ」のイメージが強い傾向にあったが、「大人レゴ」の拡大により子どもだけでなく大人も楽しめるアイテムとしてのイメージが定着しつつあるのではとの考えを示した。

2021年のレゴグループ及びレゴジャパンの戦略としては、レゴグループとして創業時から大切にしている「遊びの必要性」「遊びながら学ぶことの重要性」に引き続きコミットしていくため、パートナー企業とのコラボレーション、「大人レゴ」のラインアップ拡充、販売チャネルの進化、デジタル分野への継続的な投資、サステナビリティへの投資を行っていくとし、それぞれ以下のような戦略を示した。

・パートナー企業とのコラボレーション
レゴグループでは、様々なパートナー企業とのコラボレーションを実施しており、2021年も引き続き強化を図る。様々なパートナーとのコラボレーションにより幅広い趣味嗜好に合わせた商品を生み出し、多くの方々が「遊び」の可能性を感じられる機会を創出する。

・「大人レゴ」ラインナップ拡充
「遊び」とは子どもだけのものではなく、大人にも「最高の遊び」を提供していきたいとの考えから、「大人レゴ」は2021年もさらに強化していくテーマとなる。大人向け商品の取扱数は2019年には約40商品、2020年には約60商品まで拡大しており、2021年はさらに約60商品を新発売し、約120商品までラインナップを拡充していく予定。また、コミュニケーションの観点では、「創ろう、大人の時間。」をコンセプトに「大人レゴ」として初となるCMの放映を4月1日からスタートしており、今後もプロモーションを強化する。

・デジタル分野への継続的な投資
デジタルシフトが進む中で、「デジタル世界の安全性」を担保していくことは、「子供たちの未来」を重要視しているレゴグループにとって非常に重要であるとし、子ども向けSNSの「レゴライフ」や「LEGO.com」等、子どもが安全・安心して使えるデジタルスペースを提供。2021年も強化していく方針。また、「レゴスーパーマリオ」のように、従来のブロックとデジタルが融合した商品開発も進めていく予定。

・販売チャネルの進化
レゴグループとして、ECへの移行やブランドストアの拡充といった販売チャネルの進化も引き続き進める方針。日本においても、積極的にブランドストアを出店していきたい考え。さらに店頭でのAR(拡張現実)を使った「デジタルボックス」の設置など、デジタルとフィジカルを融合した楽しいブランド体験の構築に取り組んでいく。

・サステナビリティへの投資
レゴグループは、環境および社会的責任への取り組みを加速させるため、3年間で最大4億米ドル(26億DKK)、日本円で約400億円を投資する計画を発表している。その一環として、2021年から製品の箱の中に入っている、レゴブロックを組み立てる順番ごとに分けるためのビニール袋をリサイクル可能な紙袋への切り替えを開始。また、石油由来のプラスチックを原料としたレゴのすべてのパーツを、2030年までに再生可能な資源ベースの原料に切り替えていくなかで、サトウキビ由来の商品の導入を開始している。2021年も目標達成に向け、取り組みを進めていく。




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