2021.04.20

ネットプロテクションズ、「コロナ禍におけるスキルシェアサービス需要変化」の調査結果を公開、スキルシェア・サービスのEC需要が1年間で1.6倍に増加

ネットプロテクションズは4月16日、「コロナ禍におけるスキルシェアサービス需要変化」に関する定点調査の結果を公開した。スキルシェアサービスの認知・利用経験率は10%程度に停滞する一方で、未経験者の利用意向は1.6倍と上昇傾向にあることがわかった。

【<画像16点>「スキルシェアサービス需要変化」調査結果はこちら】

「コロナ禍におけるスキルシェアサービス需要変化」に関する定点調査は、スキルシェアのニーズやスキルシェアサービスに対して消費者が抱いている懸念、価格形式への支持などを知ることを目的に実施したもの。調査対象は20代~50代の男女。今回の調査は第2回目(2021年3月実施)になり、1年前の2020年3月に1回目の調査も行っている。

働き方改革関連法の施行や新型コロナウイルスの感染拡大といった情勢の変化により、リモートワークや時短出勤などの働き方が「ニューノーマル」と呼ばれるほどまでに浸透しつつある。時間や場所に縛られない働き方が恒常化する現在、より大きな役割を果たす存在のひとつが、個人間でスキルを売買できるスキルシェアサービス・クラウドソーシングであるが、社会におけるニーズの高まりに対し、これらのサービスが適切な認知を獲得しているとは言い難い。同調査では、スキルシェアサービスに対する意識をスキル提供者・購入者双方の視点から取得することで、急速に「ノーマル」が刷新されるなかでスキルシェアサービスに求められる要素を調査している。

サービスを利用したことがある人の割合は、2020年時点より5ポイント減の11.2%と停滞傾向であることがわかった。一方で、サービス利用未経験者のうちスキルを「買いたい」と回答した人は、2020年時点の1.8倍となる11.8%、「売りたい」と回答した人は2020年時点の1.5倍となる11.5%となり、未経験層における利用意向は1.6倍と明るい兆しがあるとしている。



「クラウドワークス」「ランサーズ」「ココナラ」「ストアカ」「タイムチケット」「ビザスク」「エニタイムズ」「zehitomo」「Timee」の9つのスキルシェアサービスにおける利用経験・利用意向についての問いでは、ほとんどのサービスにおいて認知度・利用経験内訳ともに顕著な増加は見られなかったが、「ココナラ」は「知っているが利用したことはない」の回答率が前回比1.3倍の20.5%となった。

買い手にとってのスキルシェアサービスへの不安を尋ねた問いでは、回答者全体では「個人間のトラブル」が前回調査時に引き続き30%超えとなった。スキルシェアサービスの利用経験別に見ると、利用経験があり「今後も利用したい」と回答した層は、「売り手が期待しているスキルレベルかわからない」の回答率が前回より8ポイント増加し、4割を超えた。一方、利用経験はないが「購入してみたい」と回答した層では、「個人間のトラブルが怖い」が3ポイント増加し、過半数を超えた。次いで「個人情報の漏洩が怖い」も41%を占めている。サービスを利用したことがない人にとってはトラブルやセキュリティへの懸念が大きな利用障壁となっている一方、実際に利用したことのある人はスキル取引における「納得度」や「妥当性」を求めていると言えるとしている。



売り手にとってのスキルシェアサービスへの不安を尋ねた問いでは、利用経験があり「今後も利用したい」と回答した層は、半数以上が「時間やスキルの安売り」と回答し、前回より10ポイント増加した。「個人間トラブル」「個人情報の漏洩」への不安も前年より10ポイントほど増加する結果となった。一方、利用経験がないが「提供してみたい」と回答した層では、「買い手がつくか分からない」の回答率は前年調査時より10ポイント以上減少するも、「個人間のトラブルへの怖さ」と並び最多の56.7%を占める結果となった。サービスを利用したことがない層が「買い手不在への不安」といった信用性への不安感を抱える一方、実際に利用したことのある層は「時間やスキルの安売り」といった不当な対価流通を懸念していると言えるとしている。



価格形式について、買い手から見た希望の販売方法を尋ねた問いでは、前回調査で全体平均51%と最も支持されていた「定価式」への支持が、37.6%に減少した。スキルシェアサービスの利用経験ごとに注目すると、経験者は未経験者に比べ、「あと値決め式」や「価格変動式」と答えた人の割合が約2倍となっている。

売り手目線での販売方法の希望においても、利用経験の有無での差異が顕著になった。「オークション式」のうち、利用経験者は「あと値決め式」「価格変動式」、未経験者は「フリマ式」を最も支持する結果となった。利用経験を通して、相談形式の煩わしさや主張のしづらさ、価値に対して矮小化された対価流通のあり方を感じていることが伺えるとしている。

買い手視点においても、利用経験者における「あと値決め式」「価格変動式」の回答率が未経験者に比べて高かったことから、買い手・売り手双方の立場から、相談・交渉形式の販売方法に同様の課題を感じていると言えるとしている。

「期待以上のサービスを受けた後に、スキルの提供者に対して事前に決まっていた価格以上を払いたいと思ったことはありますか?」とおいう設問に対しては、利用経験者のうち38.3%が「よくある」と回答し、前回調査時よりも1.5倍となった。利用未経験者も含めた平均と比較すると、「よくある」「ある」と回答した割合は約10倍となった。このことから、実際にサービスを経験した人を中心に、良質なサービスに対する「正当な対価流通」への意識が形成されていることが伺える。さらに言えば、より多くの対価が支払われていたはずの取引が見逃されている現状が明らかになったとしている。









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