青果販売の九州屋は2020年12月、自社ECサイト「九州屋plus」を開設した。現在、ECサイトの月間の訪問者は3万人を超えているという。
同社は50年前に団地での青果の引き売りを始め、東京八王子市に店舗を構えて店販事業を本格化。店舗は現在、全国91店舗に広がっている。
新型コロナウイルスの感染拡大により、店舗の顧客のECに対するニーズが高まったことで、ネット通販の開始を検討。2020年4月から、自社の社員向けに試験的にECサイトをオープンした。社員の多くが「使いやすい」と評価したという。「本来は2021年4月に開始する予定だったが、コロナ禍によりサイト開設に向けて準備を急いだ」(小林拓社長)としている。
店舗に来店する楽しさを再現することに力を注いでいる。顧客がECサイトを訪問した際に、リアル店舗で品物を選んでいるような感覚を味わうため、ECサイトでは800品目の青果をそろえている。ネット通販では贈答用だけでなく、自家消費向けの販売も好調だという。
また、月に1回のペースでECサイトに変化させることで、顧客の飽き防止につなげている。季節のフルーツや野菜などの情報を盛り込んだバナーを改修したり、季節の青果などの特集ページをECサイトで多く掲載している。
顧客を定着化させるために、ECサイトの会員には商品情報を毎日、メルマガ配信している。新規顧客を獲得するため、ユーチューブでの動画配信を毎月行っているほか、週に2~3度のペースでツイッターとインスタグラムで商品情報を発信している。小林社長は、「今後の課題は顧客の単価を上げること。失敗と挑戦を繰り返し、ECサイトの利便性をさらに高めていきたい」と話す。
「九州屋plus」
https://www.kyusyuya-plus.com/