2021.04.12

「タマチャンショップ」田中耕太郎副社長に聞く「商品と口コミの力で女性向けプロテインの売上10倍」


美容院と連携、“髪”への訴求も


――広告主体の単品通販とは異なる手法を取っている理由は?

主に「楽天市場」で販売しているというのが大きいかもしれない。「楽天市場」は店舗とお客さんの距離が近い。商品や店のことでかなりコミュニケーションを取っている。あまり売ろう売ろうとするとお客さんにそれが伝わり、敬遠される。

さらに私たちは、モノづくりを重視している。本当に良いものを長く愛用していただくことで最終的に利益を得ることが重要かなと思っている。われわれのD2Cモデルは富裕層の方とか、特定の方だけというよりは、万人に利用してもらいたいという思いが強い。そのため、限界まで良い素材を入れて、続けやすい価格に抑えている。商品を企画する際に広告ありきで原価を抑えるようなやり方ではない。体感していただけるような栄養素を詰め込みながらも、「お母さんが使える金額ってこれくらいだから、その範囲内で提供できるようにしよう」といった話し合いをして商品を開発している。

――人気が出てくると類似商品も出てくる。対策は?

似たような商品はたくさん出てきた。取引先からも「ベンチマークされていますよ」と聞く。後発商品はコンセプトが似ていて、さらに価格をうちよりも低く設定してくる。そこに合わせていくとブランドを棄損する恐れがある。独自のやり方を貫き、コンテンツでしっかり伝えていけばお客さんは選んでくださると信じております。

ただ、業界を荒らす店舗には気を付けていきたい。ナッツ業界でも価格競争がすごいことになっている。当社の半額ぐらいの商品が当たり前のように売られている。安売りに頼ると、どうしても品質よりも安価な原料や、仕入れ先から買い叩いたり、生産者に無理を言ったりしているのではないかと懸念されます。SDGsやフェアトレードすらも無視している可能性がある。そのような商品の品質が当たり前だと思われると、われわれも生産者さんも困る。何よりも日本の守ってきた高品質文化が、薄利多売文化に変わる事がある意味、怖いです。

――「タンパクオトメ」の今後の展開は?

リモート会議が増えている中で、首から上を意識する女性が増えていると思う。肌も意識していると思うが、髪質への関心も高まっている。髪も9割はタンパク質で構成されている。「タンパクオトメ」がどういった部位に効いているのか、薬機法に抵触しないように発信したいと思っている。

美容師さんと髪のインナーケアを広めていく活動も始めている。美容業界はこれまで、外面からのケアがメインだった。「インナーケアも肌や髪にとって大事だよ」ということを美容師さんやスタイリストさんたちとともに普及していきたい。すでに東京の美容室で髪を切ったり、染めている間に「タンパクオトメ」をドリンクで提供していただく試みを始めている。美容師さんはお客さんとの接点が長く、会話する機会も多いので、髪にもプロテインが大事だということを伝えていただくことで、どういった反響が得られるのかデータを取っている。

美容師と顧客をつなぐアプリともタイアップする予定だ。コンテンツを作成し、髪のインナーケアの情報を発信していく。美容師さんと物販における成功体験を作れるように、説明の仕方などのマニュアルを作っている。美容院だけでなく、ネイルサロンやアパレルなどでもこのような展開ができるのではないかと考えている。リアルも含めたプロテインの普及活動を頑張っていきたい。


タマチャンショップ「タンパクオトメ」
https://tamachanshop.jp/online/201604/1322

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