2021.03.23

最高裁、「要指導薬のネット販売規制」は合憲 楽天が敗訴、デジタル化に逆行した判決

楽天が国に対して、要指導医薬品のネット販売を規制するのは憲法違反だとして訴えていた裁判において、最高裁判所は3月18日、規制は合憲だと判決を下した。この判決により、楽天の敗訴が確定した。

国は2014年施行の改正薬事法で一般用医薬品のネット販売を解禁したが、処方薬や処方薬から一般用医薬品に転用されてから3年以内の要指導医薬品についてはネット販売を禁止していた。楽天はこの規制が営業の自由を保障する憲法に適合しないと、規制の撤回を求めて提訴していた。

最高裁は、規制が「国民の生命、健康に対する侵害を防ぐ目的があり、公共の福祉に合致する」と指摘した。

業界関係者は、「一般用医薬品のネット販売が解禁となり、そのまま処方薬のネット販売まで解禁されては困ると急ごしらえで作ったのが、要指導医薬品だった。要指導医薬品のネット販売の規制を維持することで、処方薬のネット販売規制も維持できる。デジタル化の流れに逆行した判決だ」と見ている。

楽天の三木谷浩史社長は、自らが代表理事を務める新経済連盟を通じて、「(要指導薬のネット販売規制は)著しく時代錯誤のものであるとともに合理性を欠いている。今回の結果は大変遺憾。判決は2018年11月の状況を前提としたものであり、その後のスマホのさらなる普及や、薬機法改正でオンライン服薬指導が解禁されたこと、昨今のコロナ禍での状況などは一切考慮されていない」とコメントしている。




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