2021.03.12

楽天、日本郵政から1500億円調達 より強固な提携で物流・金融に加え、ECやモバイルでも協業

楽天 三木谷浩史社長(写真左)、日本郵政 増田寬也社長(写真右)

楽天と日本郵政は3月12日、資本業務提携を締結した。日本郵政が楽天に約1500億円出資するとともに、すでに発表している物流や金融分野での提携だけでなく、EC、モバイルなど広範囲にわたり協業を行う。楽天はモバイルや物流といった投資領域の資本的なバックアップを得られただけでなく、物流の拠点や窓口、モバイルの顧客獲得チャネルや基地局としての拠点などを確保した意味でも大きな意味合いを持つ。

日本郵政が楽天の第三者割当増資を引き受ける形で、1499億9900万円出資する。3月29日に出資金の払い込みを実施する予定。今回の出資で日本郵政は楽天の株式の8.32%を所有することになる。

楽天の三木谷浩史社長は、「創業以来、大型の出資を受け入れるのは初めて。重みを感じている。われわれのようなベンチャー企業が、郵便事業という最も古いビジネスとも言える事業を行う、歴史ある日本郵政さんと組むことができるのは、世界に類を見ない提携のパターンだと思う」と資本業務提携の意味合いを強調した。


楽天 三木谷浩史社長

日本郵政の増田寬也社長は、「今年に入り、楽天さんから(資本提携に関して)声をかけていただいた。リスクとリターンを慎重に検討し、私たちも資本提携まで進めていった方が提携の実が上がると考えた。業務提携を超え、資本提携へと提携のレベルが深まっていく」と話した。


日本郵政 増田寬也社長

昨年12月に物流や金融分野で提携し、共同でオープンな物流プラットフォームを構築する構想を発表していた。今回、ECやモバイル、金融、DXなどの分野でのより広範囲な提携内容を発表した。

モバイルでは、郵便局内のイベントスペースに楽天モバイルの申し込みカウンターを設置したり、日本郵便の配達網を活用したマーケティング施策を実施したりする。



金融では、キャッシュレスペイメント分野での協業、保険分野での協業を検討する。ECなどの物販分野でも全国の日本郵便のネットワークを生かした協業を検討する。



DXでは、楽天グループから日本郵政グループに対するDXに精通する人材を日本郵政グループに派遣し、DX推進に協力する。

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