2021.03.02

【業界予想】2021年の『D2C』どうなる?D2C支援大手「SUPER STUDIO」に聞く

SUPER STUDIO 共同創業者・取締役CRO 真野勉氏


2021年、D2C業界の勝ち筋は?

 
ーー2021年、どのようなD2Cが成功すると思いますか?

所有しているモノが自己表現になる時代なので、ブランドの価値が明確であることが重要だと思います。例えば「BALMUDA」の家電は今までの家電とは違い、持っていたら見せたいと思うデザインで家電をインテリア化しました。決して手が出しやすい価格ではありませんが、消費者がブランドの世界観に価値を見出し購入され続けています。

ブランドの世界観とは「こんな思いを持つ人に届けたい」という思いから生まれてくるものです。最近のD2Cブランドを見ていると、ニッチなターゲットに向けた商品がブランドのメッセージも明確なので、伸びている傾向にあります。

先日、完全食のD2Cブランド「COMP(コンプ)」だけを食べて暮らしているという方がテレビ番組に出演していました。尖ったブランドには熱烈なファンが付き、自らの言葉でPRしてくれます。

理念や世界観を体現するのはスタートアップが得意とするところです。大手企業でも別会社でブランドを展開したり、既存のブランドと一線を画したブランド展開をすることでD2Cブランドの価値を際立たせることができると思います。


SUPER STUDIO 共同創業者・取締役CRO 真野勉氏

ーー販売方法や商品の提供方法で注目している手法はありますか?

パーソナライズは注目度が高まっています。パーソナライズシャンプー&トリートメントを展開する「MEDULLA(メデュラ)」は急成長しています。いくつかの質問に対して自分で回答を選び、自分に合った商品を購入できるという特別感のある体験は特に女性に好評です。

パーソナライズは、サービス設計やシステム面のハードルの高さが参入のネックになっていました。当社ではパーソナライズ専用のD2Cシステム「1d color」を提供しているだけでなく、「MEDULLA」を提供するSpartyと協業し、パーソナライズD2Cブランドを共同で支援するサービス「PERSONALIZE STUDIO」も提供しています。

パーソナライズの参入障壁を下げることで、より多くの魅力的なパーソナライズD2Cブランドが誕生すると考えています。
 

ーーD2Cを成功するために欠かせないポイントは?

D2Cをグロースさせるためのパートナー選びも重要になります。ブランドの世界観を追及するために、システムやパートナーがボトルネックになってはいけないと考えています。ecforceだけでは補えない分野を多種多様なアライアンス企業や決済企業と提携することで、クライアントの事業を幅広くサポートしボトルネックを解消しています。 

当社ではシステムからマーケティングや運営支援まで一気通貫で提供しています。さまざまなブランドとともにD2C事業を運営してきた経験もあるので、成長過程で躓くポイントを理解し、それをクリアするためのソリューションのラインアップを増やしています。「1d color」だけでなく、チャット型EFOシステム「smart dialog」もメーカーからいただいた声を基に開発し、ご活用いただいているクライアントの効率的なCVR改善に貢献しています。多くのD2Cブランドが消費者に商品の価値や魅力を伝えられるよう、私達もD2Cブランドと一緒に成長しながらご支援していきます。


SUPER STUDIO
https://super-studio.jp/

 
<プロフィール>


SUPER STUDIO 共同創業者・取締役CRO 真野勉氏

1987年、東京都生まれ。学生時代からITベンチャー企業にインターンとして入社し、新規事業の営業に従事。同社の急成長に貢献し、東証マザーズへの株式上場を機に退職。2014年12月24日にSUPER STUDIOを林紘祐CEOや花岡宏明COOと共に共同創業。自社サービスである「ecforce」を広告宣伝なしで100ショップに導入いただく立役者である傍ら、採用人事として5年間で組織を100名程度まで拡大。現在は大手クライアント開拓などの営業と並行し、CROとして企業間アライアンスをリード、キーワードである「D2C」を軸にSUPER STUDIOブランドの啓蒙活動も担っている。CROのRは、Revenue・Relationship・Resourceを意味しており、収益・関係構築・人材採用の推進を先導している。

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