2021.02.18

【記者コラム】飲食店のECが根付かない理由…その1

これまで外食・飲食店のネット通販を取材し続けて感じていることがあります。単刀直入に言うと、店側とネット販売支援会社の双方にミスマッチが起こっている、と思っています。

まず、外食・飲食店側の視点ですが、いまだに通販を開設することで売り上げが取れる認識を持っている人が多くて残念です。また、儲かるの? 儲からないの? と結論から入ろうとする人にも違和感があります。

売り上げや利益が取れるようになるには、時間がかかります。EC業界で日々戦っている事業者ならだれでも知っていることです。

飲食店によるECとは、EC業界の中で戦うことを意味します。つまり、お店を知らない不特定多数の人を相手にするということです。中には、お店のリピーターが利用するケースもありますが、長続きしません。取材を通して長続きしない事例を目の当たりにしました。

では、どうすれば? となりますが、重要なのは「動機付け」だと思っています。細かく言えば、お店の通販を利用して得られるメリットを味だけにせず、食事のシーンも加えて楽しさを訴求することです。

そもそも外食・飲食店の醍醐味は、普段、家では食べられない料理と、店主とスタッフのサービスを受けながらごはんを食べることにあります。突然、「ネット通販を始めました」と言われても、受け手は「そうなんだ」となります。飲食店が大変な状況にあることは、テレビやメディアを通してみな理解していますが、通販を利用する人たちもコロナで苦労している人が多いのも事実。

突拍子もない話ですが、ECは恋愛と同じだと思っています。初対面の人にいきなり告白する人はいません。まずは、自分を知ってもらうことが第一です。

長くなってしまったので、来週にも続きを書こうと思います。次回は端的にまとめます(笑)。

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