2021.02.05

EC決済で「PayPay」などの『ID決済』が台頭 SBペイメントサービスが実態調査を公開

ソフトバンクの子会社であるSBペイメントサービスは2月5日、ECサイト(物販、デジタルコンテンツ)における決済手段の利用実態に関するアンケート調査の結果を公開した。クレジットカード決済の利用割合が減少し、PayPayをはじめとするID決済の利用割合が増加していることがわかったとし、多様な決済手段を導入する重要性が高まっているとの見解を示した。

【<図表14点>すべての調査結果はこちら】

「ECサイトで物品・デジタルコンテンツを購入する際の決済手段に関する調査」は、全国の「1年以内に物販サイトで何らかの商品を購入した10~80代の男女」2533人と、「1年以内にデジタルコンテンツを購入した10~80代の男女」2335人を対象に、2020年12月21~28日に実施したもの。


【よく利用する決済手段】

ECサイトで物品を購入する際、よく利用する決済手段について尋ねた問いでは、1位が「クレジットカード決済」で78.5%、2位が「PayPay(オンライン決済)」で17.5%、3位が「コンビニ決済」で16.9%という結果になった。デジタルコンテンツを購入する際、よく利用する決済手段については、1位が「クレジットカード決済」で75.4%、2位が「キャリア決済」で16.9%、3位が「コンビニ決済」で13.3%、次いで「PayPay(オンライン決済)」で12.5%という結果になった。



2018年に行った同様の調査との比較では、物品・デジタルコンテンツどちらの購入時においても「クレジットカード決済」の割合が減少し、「PayPay(オンライン決済)」「楽天ペイ(オンライン決済)」「LINE Pay」といった、オンラインでもリアルでも利用できるID決済の割合の増加が目立つ結果となった。一方、「キャリア決済」の割合はほぼ変化なく、一定の根強いニーズがあることが分かったとしている。


【最も利用する決済手段】

ECサイトで物品を購入する際、最も利用する決済手段について尋ねた問いでは、男女共に「クレジットカード決済」を最も利用すると回答。次いで「コンビニ決済」という結果となった。年代別で比較すると、10代においては「クレジットカード決済」の割合は40%以下に留まり、その分「コンビニ決済」「キャリア決済」「PayPay(オンライン決済)」「代金引換」の合計が45%以上と非常に高いことが分かった。男性20代、30代においても、「コンビニ決済」「キャリア決済」「PayPay(オンライン決済)」「代金引換」の合計が20%を超え、事業者が多様な決済手段を導入する重要性が高まっていると言えるとしている。




一方、デジタルコンテンツを購入する際、最も利用する決済手段について尋ねた問いでは、男女共に「クレジットカード決済」を最も利用すると回答。次いで「キャリア決済」という結果となった。年代別で比較すると、10代男性においては「クレジットカード決済」の割合が31.3%と顕著に低く、10代男女と20代男性においては「キャリア決済」「コンビニ決済」「PayPay(オンライン決済)」「口座振替」の合計が20%以上と高いことが分かった。また、30代、40代女性においては同年代男性と比べて「PayPay(オンライン決済)」の利用意向が高いことが特徴として見られたとしている。


【最も利用する決済手段の選択理由】

ECサイトで物品を購入する際、最も利用する決済手段の選択理由を尋ねた問いでは、クレジットカード決済は「購入金額が高い場合、クレジットが一番便利」、コンビニ決済は「クレジット情報を入力することに抵抗があるし、代引きだと手数料がかかる」、キャリア決済は「携帯代と一緒に払えて便利」、PayPay(オンライン決済)は「楽だし使える所が多い」、代金引換は「商品の受け渡しと同時に払うから安心する」のように、それぞれの決済手段の特長をとらえた理由で選ばれていることが分かった。



一方、デジタルコンテンツを購入する際、最も利用する決済手段のその理由を尋ねた問いでは、クレジットカード決済は「事前にお金をチャージしなくても残高気にせず使える」、キャリア決済は「支払い管理ができて、確実に支払いが出来る」、コンビニ決済は「クレジットと出費を別にしたい」、PayPay(オンライン決済)は「簡単でメジャー」、口座振替は「毎月の引き落としの方が便利」というように、迅速な決済や支払い管理がしやすい点が重視され、選ばれていることが分かった。


【2018年との比較】

2018年に最も利用する決済手段の調査を行った結果と比較したところ、物販サイトでは、男女ともに「クレジットカード決済」の割合が減少し、「後払い」の代わりに「PayPay(オンライン決済)」が台頭した。デジタルコンテンツサイトでは、男女ともに「コンビニ決済」の割合が減少し、さらに「プリペイド決済」「銀行振込」に代わり「PayPay(オンライン決済)」「口座振替」が選ばれていることが分かった。




【決済手段不足によるサイト離脱率】

ECサイトで物品・デジタルコンテンツを購入する際、よく利用する決済手段がない場合どうするか尋ねた問いでは、物販サイトでは男女ともに60%以上が、デジタルコンテンツサイトでは男性約70%、女性約60%が「そのECサイトでは購入せず離脱する」ことが分かった。これらの結果から、ユーザーの求める決済手段のECサイトへの導入は、商品・サービスの購入を検討するユーザーの背中を押す、最後の一手と言えるとしている。事業者は、魅力的な商品・サービスの提供以外にも、ユーザーが求める決済手段を適切に見定め、ECサイトに多様な決済手段を取り揃えておくことがユーザーの購入率向上ひいては売上アップに繋がるのではないかと見解を示した。




【購入頻度の変化】

2019年と比べてECサイトでの購入頻度に変化はあったか尋ねた問いでは、物販サイトでは10代男女の約60%が「増えた」と回答。他年代でも「減った」という回答に対して2.7倍以上の割合が「増えた」と回答した。デジタルコンテンツサイトでも、10代女性の50.8%が増えたと回答し、「減った」と答えた4.6%の11倍以上に達した。他年代でも「減った」という回答に対して2倍以上の人が「増えた」と回答している。



2020年は、新型コロナウイルス感染症の影響で、外出自粛によりオンラインショッピングがこれまでより多く活用されていると見られる。オンラインビジネスにチャレンジする企業もさらに増えることが予想され、利便性の高いオンラインショッピングの利用が増加する傾向は、今後も続くだろうとしている。

なお、本調査の全文は、SBペイメントサービスのWebサイトにて提供している。


「SBペイメントサービス株式会社」
https://www.sbpayment.jp/news/press/2021/20210205_000877/

RECOMMEND合わせて読みたい

RELATED関連する記事

RANKING人気記事