2021.02.04

厚生労働省、アップルの心電図計測アプリを医療機器に認定 腕時計で心拍計測が可能に

「アップルウォッチ」

厚生労働省はこのほど、米国アップルの心電図計測アプリを家庭用医療機器として認可した。1月26日から、同アプリが国内で使用可能になった。ウェアラブル端末用のソフトウェアが、家庭用医療機器として認可されたのは国内で初めて。端末が計測したデータは医師の診察の根拠にもなる。業界からは、「今後、国内メーカーの同様の製品の認可のハードルが下がるかもしれない」と期待する声が上がっている。
 
厚生労働省が認可したのは、米国アップルが提供する「iPhone」用「心電図アプリケーション」と、アップルウォッチの「不規則な心拍の通知プログラム」の二つのソフトウエアだ。2020年9月4日に厚生労働省が、家庭用を含むクラス2の医療機器として認可。2021年1月26日に、アップルが「心電図アプリケーション」を使うのに必要な「iPhone」用のOSのアップデートを行ったことで、国内でアップルウォッチを使った心拍の計測が可能となった。
 
アップルウォッチでは、センサーで心拍を計測し、「iPhone」に記録する。アップルウォッチで不規則な心拍のリズムが確認された場合、使用者に通知する機能を備えている。計測したデータは、PDFデータにして医師と情報共有することもできる。医師は、使用者を診察する際に、参考として、アップルウォッチで蓄積した日々の心拍データを活用することができる。
 
東京都医師会の尾崎治夫会長は、厚労省が認可した心電図アプリが利用可能になることについて、「今後日本で、こうした機能が普及することにより、心房細動などが早期発見できるようになることを期待している」と話している。
 
ある家庭用医療機器メーカーの社長は、「アップルウォッチの機能が初めて医療機器として認可されたことにより、認可のハードルが下がりそうだ。これまで雑品として販売されていた国内メーカーの商品が認可される可能性も高まった」と話している。

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