2021.01.26

【2021年の展望「eBay」】eBay Japan 岡田雅之社長「コロナでパラダイムシフト、確かな成長実感」

eBay Japan 岡田雅之社長


グローバルECモール「eBay(イーベイ)」への日本企業の出品を支援するeBay Japanの岡田雅之社長は、2020年に確かな越境EC需要の拡大を実感した。コロナで物流や商品ニーズにパラダイムシフトが起きたと振り返る。越境ECマーケットの変化や日本企業の動向、「eBay」の戦略について岡田社長に聞いた。


――2020年の「eBay」を通じた日本からの越境ECはどうだった?

パラダイムシフトが起きた1年だったと感じている。コロナの影響もあり、いくつか大きく変わったことがある。まず、ロジスティクスを含めてセラー(出品者)とバイヤー(購入者)の購買体験が変わった。日本郵便が国際郵便の一部を制限したことで、多くのセラーがクーリエ(国際宅配便)にシフトした。それにより、日本からニューヨークへの商品が翌日届くケースもある。下手をすると米国の国内配送よりも早く届く。これまでは追跡番号なしで送るケースも多かったが、クーリエではデフォルトで追跡番号が付いており、安心感が高まった。

ロジスティクスのパラダイムシフトだけでなく、グローバルでECシフトが進んだ。米国では3カ月間でECの普及率が10年分進んだという話もある。

マーケットが拡大する中、「eBay」における日本からの越境ECでは、コレクタブルといわれる収集品や、ハイブランドの中古品に強みを持っているが、投資対象としての消費のニーズの高まりも感じている。

コロナ禍でリテールセラピーというストレス発散の一部として、ショッピングを捉えることはやっていたが、投資というのは、もう一つの面白い観点だと思う。投資対象としての購入ニーズでは、ベースボールカードが有名だが、ポケモンカードもその仲間入りを果たしている。

時計やカメラ、スニーカーなど、コレクタブル全体にそのニーズは波及している。われわれも想像していなかった、釣具や自動車パーツなども投資対象になるかもしれない。日本のセラーは投資適格な商品をたくさん保有している。当社からも情報提供し、セラーにチャンスをつかんでもらいたい。

――2020年4月に米・eBayに新しいCEOが就任した。どのような方針なのか?

ジェイミー・イアンノーネCEOは、本来の強みである勝つべきコアカテゴリーに注力しようというメッセージを発信している。その一つが熱狂的ファンの多いアイテムだ。具体的にはアニメグッズ、カードゲームやスニーカー、高級時計、ハンドバッグなどいろいろあるが、日本のセラーが持つ商品と合致している。日本人ならではのコレクターとしての審美眼やキュレーション能力を活用できる。

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