2020.03.08

【2020年 EC業界注目サービス】 SBペイメントサービス、「PayPay」を自社ECに

SBペイメントサービス 営業本部 長田直樹部長

D2Cブランド構築を決済で支援


決済代行会社大手のSBペイメントサービス(SBPS)は2020年1月をめどに、EC向けにQRコード決済「PayPay(ペイペイ)」の対応を開始する。SBPSを通じて自社ECサイトにオンライン決済サービスを導入するEC事業者が対象。自社ECサイトの新規顧客として、「ペイペイ」ユーザーの獲得を狙うことができるとしている。2020年のEC市場のキーワードになりそうな、「『〇〇ペイ』のEC対応」と「D2Cの定番化」をどちらも実現できるサービスといえそうだ。

ID決済が主流の時代に


「ペイペイ」はこれまで、「100億円あげちゃうキャンペーン」などの大規模なキャンペーン展開で、ユーザーを獲得してきた。2019年11月時点の「ペイペイ」のユーザー数は約2000万人とされている。

ユーザーがECサイトの決済画面で「ペイペイ」を選択し、「ペイペイ」にひも付けした電話番号とパスワードを入力すると、「ペイペイ」にチャージした金額から決済できるようになる見通し。2回目以降の利用では電話番号とパスワードの入力も省略できるようにする予定だという。

「ペイペイ」を導入すれば、これまでECを利用したことがなかった層を、自社ECサイトの新規顧客として囲い込める可能性があるという。「ペイペイ」ユーザーには、普段店舗でしか買い物をしないが、キャンペーンをきっかけに利用を開始したという人も一定数いるとみられている。「ペイペイ」の導入によって、決済の煩雑さを解消できれば、新たな顧客層を獲得することも可能だとしている。

SBPSでは、「ECの決済に、QRコード決済を含めた『ID決済』を導入する動きは今後さらに進む」(営業本部・長田直樹部長)とみている。今後は、ポイントをためることなどを目的に、決済方法を一元化したいというユーザーが増えていく可能性もあるという。「ID決済が普及した先には、ID決済のアプリ内でショッピングやチケットの予約、融資まで行うことができる『スーパーアプリ化』が待っていると考えられる。今、ユーザーがどのID決済を最初に選択するかで、将来的に顧客を囲い込めるかが決まる」(同)とも話している。

「スーパーアプリ化」はすでに、中国のQRコード決済である、「アリペイ」「ウィーチャットペイ」で進んでいるという。

サブスクリプション向け決済に強み


SBPSは、サブスクリプションビジネスを展開する企業に決済を提供してきた実績を持つ。サブスクリプションビジネスの中には、定額課金から従量課金まで、幅広いバリエーションがある。例えば、IoTを使って化粧品の重量計測・自動発注を行うサービスや、ユーザーの体調に合わせてサプリを自動発注するサービスなども、サブスクリプションサービスとして今後一般化していく可能性がある。

SBPSでは、多くの変動型の課金方式を構築してきた実績と知見をもとに、こうしたオリジナリティーの高いサブスクリプションサービスの決済に対応していきたいという。

「“D2C”を掲げる企業では、『ロイヤルカスタマーとのつながり』を強く意識するケースがとても多い。自社ECサイトに、ユーザーが使いやすい決済方法を導入することが、ロイヤル顧客の育成にもつながる」(同)と話している。


SBペイメントサービス

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