2021.01.20

【コロナで顕在化した在庫問題!売上を増やし在庫を減らす新手法とは?】第9回「DXは意識改革から。コロナ危機下で売上25%増の手法」


DXツールは導入してからが勝負


前章までにみてきたhaco! とJAPEXには共通する点が2つあります。

1. 販促に“伝える”データを有効活用している
2. DXツールを導入して終わりではなく、そのツールを使いこなして課題解決に努めている

1つ目は、在庫がある商品の中から販促対象やセール対象の選定する際、客観的なデータに基づいて判断しているということです。そこには、仕入れ担当、MD、商品担当といった立場の違いによって在庫リスクの解釈が異なるというような問題が介在する余地はありません。つまり、客観データを通じてSKUごとの売れ残りリスクと売上への貢献度を社内横断的に共有できているのです。



2つ目については、ECエバンジェリストの川添隆氏がフルカイテン株式会社主催のオンラインセミナーでお話しされていた内容が分かりやすいので、要約して引用します。


DXが成功するための一番のカギは「意識改革」です。ソリューションやテクノロジーを実装すること自体はお金と時間があれば解決できます。しかし「なぜ新しいツールを使うのか」「そもそもなぜ効率化する必要があるのか」という点について明確な意識を持っていない限り、実装したテクノロジーは力を発揮できませんし、それらが使い手の意思をコントロールしてくれるわけでもありません。

※川添氏の発言を含むセミナーレポートはこちら(https://full-kaiten.com/news/events-discussion/2274)からダウンロードできます


数多あるDXツールは魔法の杖ではありません。ツールが本来の力を発揮できるよう、目的を持って使い倒して初めて、効果が出てくるものなのです。

フルカイテンは、小売企業から受け取ったデータを分析し、全ての在庫の「質」(商品力、売れ残りリスク、売上への貢献度)を可視化できるデータとしてアウトプットするツールFULL KAITENを開発し、クラウドサービス(SaaS)として提供しています。大手アパレルやメーカー、楽天ショップオブザイヤー受賞店舗などEC・実店舗を問わずご利用いただいています。

事業規模がある程度の大きさになってSKU数が多くなると、「在庫の質」をSKU単位で把握するのが困難になりますが、FULL KAITENのようなツールは大きな助けになります。そして、これから縮小していく小売市場において売上第一ではなく「粗利第一」で闘っていくうえで、在庫の質を可視化することが最重要課題になるのです。
ご興味をお持ちの方は是非お問い合わせください。

最後に、9回にわたる当連載を無事に終えることができました。皆さま、ご愛読ありがとうございました。


【著者プロフィール】



フルカイテン株式会社 
代表取締役 瀬川直寛(セガワ・ナオヒロ)

売上増加と在庫削減の両立を実現するシステム「FULL KAITEN」を開発し、クラウドサービスとして大手小売企業や楽天市場のショップ・オブ・ザ・イヤー受賞店舗などに提供。 EC経営者として倒産危機を3度乗り越えた経験を踏まえた理論・考え方は、多くの企業から高く評価されており、「FULL KAITEN」にも多くの問い合わせが寄せられている。

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