2021.01.20

【コロナで顕在化した在庫問題!売上を増やし在庫を減らす新手法とは?】第9回「DXは意識改革から。コロナ危機下で売上25%増の手法」


実は「宝の山」だった滞留在庫


次は、オートバイ用品ECの「JAPEX(ジャペックス)」のケースをご紹介します。

JAPEXはヨーロッパのブランドをメインに、米国などからもバイクギアを輸入し販売しています。扱っている商品は単価が高いものが多く、サイト上で展開するさまざまな「特集」がメインの販促手段です。



しかし2020年9月、新型コロナウイルス危機の影響で、海外からの仕入れの中断を余儀なくなされました。欧州、特にイタリアが多かったのですが、感染拡大によって工場が止まり、当初の予定どおりに納品されなくなったのです。

このため、主力商品として当て込んでいた商品の在庫が底をついてしまいました。そこでJAPEXではFULL KAITENを用いて、既にある手持ち在庫の中から、まだまだ売れる可能性がある“隠れた売れ筋商品”を見つけることに注力しました。その結果、しっかりと売上を立てることができたのです。

その要因は、主力ではない“2番手の商品群”を販売できたからでした。それまでは、よく売れる主力商品(売れ筋商品)の販促にばかり注力していましたが、FULL KAITEN導入後は、売れ筋だけでなく、よく売れる商品とあまり売れずに売れ残る商品(不良在庫)との中間にある「過剰在庫」が可視化されるようになりました。この結果、過剰在庫、すなわち“2番手の商品群”の存在に気付くことができたのです。

インポートマネージャーは「過剰在庫、不良在庫を見ていると、本当に『宝の山』だと思う。この中から商品をピックアップして特集を組めば、売れるんだということが分かった」と変化に驚きを隠せない様子でした。

さらに、作業時間の短縮と業務の属人化からの脱却にも成功しています。データを分析してまとめる作業にかかる時間がFULL KAITEN導入の前後で半分から3分の1になったそうです。さらにFULL KAITENによってデータの正確性が担保されたため、特定の従業員でなくても発注業務をできるようになったうえ、作業にかける人時も削減できています。

RECOMMEND合わせて読みたい

RELATED関連する記事

RANKING人気記事