2021.01.18

【2021年の展望「楽天市場」】楽天 野原彰人執行役員「新規・復活顧客が増加、店舗の魅力を発信」

楽天 野原彰人執行役員 コマースカンパニーCOO&ディレクター

【ECソリューションマップ2021「ECモール&プラットフォーム編」〈有力モールに成果と展望を聞く〉】


楽天が運営するECモール「楽天市場」は、コロナ禍に大きく流通総額を伸ばした。巣ごもり需要の拡大という追い風に加え、共通の「送料無料ライン」の導入や店舗間で広がりを見せた応援購入を促す企画が奏功している。コロナ禍のユーザー動向の変化や楽天の対応、今後の展望について執行役員コマースカンパニーCOO&ディレクターの野原彰人氏に聞いた。


――コロナで「楽天市場」のユーザー動向やEC市場の環境はどう変わったか?

フェーズが変わった。Eコマースはインフラだと言い続けてきたが、世間一般の認識が各段に上がり、新型コロナの影響で、全世代、男女問わずEコマースを普通に使うようになった。ユーザー1人当たりの月間購買額も増えたし、1回使っていただいたユーザーがその後、定着していく割合が想定以上に高かった。

消費財を購買態度によって分けると、「最寄品(日用品など)」「買回品(家具、衣料品、家電製品など)」「専門品(ブランド品など)」といった分類がある。消費者は潜在的にこれらの購入先のチャネルを分けているといわれており、これまでEコマースにおいては「買回品」を中心に利用しているユーザーの割合が高い傾向にあった。

しかし昨年は、新型コロナの影響で「買回品」に加えて「最寄品」、さらには「専門品」をEコマースで購入するユーザーも増加した。その利便性の高さに改めて気付いたユーザーにとって、Eコマースは幅広い商品の購入先として一層定着したと考えている。

――新規ユーザーが増えたのか?

2020年4―6月期の新規ユーザーは、前年同期比63.1%増だった。「楽天市場」を1年以上利用していなかったユーザーが再度利用する「復活購入者数」は同80.9%増となり、それぞれ大きく拡大した。2020年7〜8月における1人当たりの月間購入額は同10.9%増、リピート率(2020年4―6月に購入したユーザーが7―9月に購入した割合)は約75%と増加している。

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