2021.01.07

【新春インタビュー】オフィスコム 室木剛社長「顧客領域の拡大が成長の鍵」

オフィスコム 室木剛社長


オフィス用品のECサイト「オフィスコム」を運営するオフィスコムの2019年12月期の売上高は、前期比27%増の98億5000万円だった。2020年12月期も前期同様に、2桁成長で着地する見通しだ。同社の成長の鍵は「領域の拡大」とし、今期は顧客領域の拡大に注力。配送スピードや顧客満足の向上も同時に取り組んだ。同社の指揮を執る室木剛社長に話を聞いた(インタビューは2020年12月10日実施)。


――前期と今期の業績について聞きたい。

2019年度の結果は、前期比27%増の98億5000万円だった。前期を振り返ると、オフィス家具の販売を主に販促を実施した。販売に付随した内装工事も好調に伸びた。ベンチャーから中堅企業など幅広く利用してもらった。また、商品によっては、医療施設や工場などでも利用される機会が増えた。こうした新たな顧客に対し、利便性という部分も訴求していったことで、販売領域を拡大することができた。アイテム別の伸びは、当社のPB商品も好調に推移する結果となった。

――コロナ禍における販売戦略について。

今期は、前期で培った土台をもとに、顧客層の領域の拡大を実施。売り上げも前期同様に成長している。今期は、1社あたりの利用回数が増えた印象を受ける。本来、今期は東京五輪に伴う需要を見越していたが、新型コロナウイルスという未曽有の危機が、急遽襲来したことで状況が一変。コロナの感染拡大を防止する措置として、急ぎ足で職場をオフィスから在宅に変えないといけなくなった。早急に在宅での仕事環境を整備する必要があった企業が当社で購入してくれる機会が増えた。こうした変化に当社は早々に対応してきた。

テレワークに必要なセット販売などの販促を早々に打ち出した。時流への施策と同時に、EC企業ならではの臨機応変な体制や仕組み作りが、売り上げを左右する要因になったと改めて感じる。また、当社は即納できる物流体制も構築している。コロナで緊急を要する企業が、即納という部分でも当社を評価してくれたとも感じている。

現在、ECで掲載している商品は、約14万点。毎年2万点ずつ増やしている状況だが、配送はなるべく急いで対応できるようにしている。遅くなる場合でも、必ずメールや電話で、いつ納品されるかなどの情報を必ず伝えるなどの配慮は欠かさずやっている。

一方、コロナの影響で店舗にダメージを受けたところが多いようだが、当社は若干異なる。当社は全国にショールームを展開している。緊急事態宣言中、東京エリアのショールームは影響を受けた。しかし、都市圏以外のエリアは逆に伸びている。政府が提言した緊急事態宣言中は、ショールームの運営を一斉にストップした。しかし、宣言が解除されて以降は、予約制でショールームを稼働。予約制にしたことで購買への変化も見られた。それは、商品を決めて来店する形が増えたことを機に、より需要が上がった印象を受ける。当社は、自社ECサイトの情報を、店舗スタッフが都度確認している。こうしたウェブとリアルからの従来の取り組みが、来店する顧客の成約率の向上にも寄与する形を生んだ。

――来期の戦略は?

まだ今期(2020年12月期)の決算は終わっていないが、2021年12月期に向けては、販売と顧客層における販売領域の拡大を引き続き取り組んでいく。新たに当社が、これまでに当社が取り組んできたことを生かした、新サービスを仕掛けていく予定だ。

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