2021.01.05

【新春インタビュー】スクロール 鶴見知久社長「低重心の経営を進める」

スクロール 鶴見知久社長


コロナ収束後、厳しい状況へ


――今期はまずまずの業績で着地する見通しか?

およその全体観は見えてきたが、当社の決算は毎期、第4四半期が厳しいので楽観視はしていない。厳しくなるぞという前提のもとに、コスト意識を持ってやってきて、そういう前提が崩れてコロナが来たので、利益面ではプラスに働いている。しかし、コロナが収束しても完全にもとに戻ることはないと思う。

――アフターコロナの消費環境は、どのようになると予想しているのか?

仮にコロナの影響が落ち着いたとしても、そうすぐに経済は戻らないだろう。日本の消費の実力はおよそ300兆円といわれ、GDPの約6割を占めているが、この第1四半期、第2四半期で換算すると270兆~280兆円で、10%ほど減少しているイメージだ。これがアフターコロナで戻るかとなると、なかなか戻らないのではないか。そのことがおそらく、コロナ後の生活様式の変化にもつながっていくと思う。しかも、景気や雇用関係も良くない。今冬から賞与に影響が出ている業種もあるし、雇用環境や所得環境が戻らない限り、コロナの問題が収束したとしても厳しい状況は続くと思う。

――そういった予想を踏まえ、新年あるいは新年度に向けた抱負は?

例年同様、引き続き低重心の経営、つまり安定感を持った経営をベースとしながら、来るべき厳しい時代に向けた課題に取り組んでいく1年になる。具体的には、収益性の高い事業は力を蓄えていくし、構造改革が必要な事業は改革を実行する。スクロールグループそれぞれの事業会社に課題があるので、それをコロナ収束で環境が変わるまでに、筋道を立てて取り組んでいく。

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