2020.02.27

坂ノ途中「海ノ向こうコーヒー」 説明スペース確保し、商品訴求向上

焙煎士・産地担当・舛田菜緒氏

【BtoB-EC向けサービス導入事例】〈「Bカート」〉


農薬・化学肥料不使用の野菜を一般消費者向けにECで販売する、坂ノ途中は、「100年先も続く、農業を」をコンセプトに事業を展開している。2016年に、全国の喫茶店やコーヒー店などへコーヒー豆を卸売りする事業「海ノ向こうコーヒー」を始め、2019年にECサイトを立ち上げた。


「海ノ向こうコーヒー」 のECサイト

企業のミッションである「環境負荷の小さい農業を広げる」を目指し、国内の農家の支援を目的に事業を展開。事業を続ける中で、海外の農業にも目を向けようとの考えに至り、2012年に海外事業に着手した。
 
アフリカのウガンダにつながりのある社員が、現地で栽培指導をしつつシアバターやゴマなどを輸入して販売を始めた「ウガンダオーガニックプロジェクト」が海外事業の始まり。世界の環境問題に加え、貧困問題も農業の支援で改善につなげようと考え、本格的な展開を始めた。
 
2016年にはラオスにも進出。現地で活動する企業から森林減少の改善に向けて何かできないかと問われ、現地を訪れた際にコーヒーに行き着いた。コーヒーを、大きな樹の間、適度な日陰のもとで育てる「アグロフォレストリー」の手法を用いて、現地の栽培を支援すると同時に、日本に輸入して販売することを決めたという。
 
当初は、コーヒー豆を「坂ノ途中」のBtoB-ECサイトで販売していたものの、思うように売り上げが伸ばせなかった。「売り上げを確保できないと現地の支援につながらない」(焙煎士・産地担当・舛田菜緒氏)と、焙煎する前の「生豆」を、喫茶店やコーヒー豆店などの法人向けに卸販売することにした。
 
立ち上げ時から、ウェブサイトで「自家焙煎・コーヒー豆」と検索してヒットした店にダイレクトメール(DM)を送付。利用者からの紹介などもあり顧客が徐々に増えてきた。そのほか、コーヒーの展示会などに出展し、接点を広げてきた。「銘柄だけではなく、生産農家の情報や背景、コンセプトを訴えることで共感してくれる人を広げたい」(舛田氏)としている。5キロの小ロットから注文ができるようにしており、カフェを起業したいといったニーズも取り込んでいく。

商品ページ充実に「Bカート」導入


以前使用していたカートは、受発注システムを主体としていたため、ブランドのコンセプトを詳細に伝えるための説明のスペースの確保が難しかったという。こうした課題を解決することを目的に、2019年4月にDai(ダイ)が提供する「Bカート」を導入した。
 
導入前には、商品を説明するため、別にPDFファイルを作り、ダウンロードしてもらう必要があった。ストーリーと商品ページに一覧性がなく、断片的になりがちだった。「Bカート」は、フリースペースが確保されており、写真や伝えたい内容を掲載する十分なスペースを作れるところに魅力を感じたという。
 
管理画面の操作が容易だったことに加え、社内で使いやすくできるように顧客のステータス管理を分かりやすくできるようなカスタム機能が充実しており、発送ミスが軽減されたという。さらに、導入前に業務の引き継ぎの際には、詳細なメモを残す必要があったが、こうした作業が不要になった。
 
今後は、「生豆」に加え、焙煎豆の取り扱いの販売を強化していく考えだ。



【「Bカート」サービス概要】
「Bカート」は、BtoBの受発注業務をEC化するクラウドサービス。BtoB特有のさまざまな商習慣に標準対応している。カスタマイズが不要ですぐに利用できる。楽天市場の出店者から上場企業まで、600社以上の導入実績がある。現在30万を超える事業者がBカートで発注を行っているという。稼働まで最短3日、月額9800円からスモールスタートすることができる。


「Bカート」

「海ノ向こうコーヒー」

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