2020.12.05

「子育てにちょうどいいミシン」が通販で大ヒット 一時は問い合わせ多数で社内がパンク状態に

山崎一史社長

ミシンの製造・販売を手掛けるアックスヤマザキが2020年3月に販売した、初心者でも簡単に使用できる「子育てにちょうどいいミシン」が予想を超える売れ行きを見せている。

販売して直後、商品を購入したユーザーが、使用した感想をSNS上に投稿。その投稿がきっかけで認知が拡大し、大手メディアニュースにも取り上げられた。その結果、予想していた販売数の3倍を超える受注を記録。現在も欠品状態となっているが、12月上旬には、再入荷する予定だという。

山崎一史社長は、販売直後の状況を「電話には出られず、メールの返信さえもできない。社内はパンク状態だった」と振り返る。


サイトのトップで一家に一台のミシンを訴求

同社は、創業70年以上のミシンメーカーで、卸販売が中心だった。山崎一史氏は3代目の社長となる。2005年に営業担当として同社へ入社。

入社した当時、業績が下降状態だったため、営業に尽力する日々が続いたという。営業は拡大する一方で、利益確保には苦戦。業界内における市場の奪い合いが原因だったことに気付き、脱却するための方法を当時から考えていた。

こうした時代を経て2015年に代表へ就任。就任後は、ミシンを利用する人を増やすための施策に方向転換した。

就任以降、毛糸を使った子ども用のミシンや、1995年から販売している「山崎範夫の電子ミシン」の改良品など、商品力を武器に販促を強化。ミシンを使ったことのない人へのアプローチをしてきた。「子育てにちょうどいいミシン」も、製品名から初心者でも手軽に使える点を訴求し、これが大きな反響を呼ぶ格好になった。

今後は直販事業(EC)をメインにしていく予定だ。自社ECサイトでの販売を軸に、サイト構築サービスの変更も視野に入れている。自社ECサイトだけでなく、楽天市場でも販売を展開。その他のECモールへの出品も検討している。「一発屋にならないように商品開発力を武器に、一家に一台のミシンが普及するよう販促を強化していきたい」(山崎社長)と意気込んでいる。


「アックスヤマザキ通販サイト」
https://axeyamazaki.com/

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