2020.11.26

【2020年版】「ファッションEC売上ランキングTOP110」発表 1位はユニクロ、上位55位はウェブ公開



コロナ禍で自社ECが成長けん引


成長率の高い企業を分析すると、自社ECサイトの売上比率が高いケースが多い。1位のユニクロは自社ECサイトの比率が100%。2位のベイクルーズはモール展開も行っているが、実店舗を生かしたオムニチャネル施策に注力した販売戦略を推進していたこともあり、自社ECサイトによる売上比率は77%と高い水準を保っている。

自社ECサイト比率が90%を超えているオンワードホールディングスは、ランキングに掲載した2019年12月期のEC売上高が、前期比11.4%増だった。2020年3−8月期(中間期)のEC売上高は前年同期比38.0%増と高い成長率を記録している。


店舗顧客をECに


コロナ禍で自社ECサイトに強みのあるアパレル企業が高いEC成長率を上げているのは、実店舗の顧客をECに誘導することに成功したからだろう。

ユニクロはコロナ禍にアプリ会員向け特別限定価格サービスを開始した。このサービスは実店舗とECサイトで利用できたが、感染を警戒して来店を避けたアプリユーザーがECに流れ込み、新規顧客の拡大につながったという。

ベイクルーズなどのアパレル大手はこぞって、販売スタッフによるコーディネート画像の発信に注力した。この施策も今では定番となっているが、取り組みが早かった企業の方が、コロナ禍でスタッフの発信力を効果的にECにつなげることができた。

スタッフによるライブコマースに注力する企業も増えている。インスタグラムなどのSNSを活用してライブ配信を実施し、ECサイトに誘導するケースが多いが、ユナイテッドアローズなどは自社ECサイトと連携しやすい仕組みに切り替えて、よりシームレスにECで購入できるようにしている。


専門モールは成長鈍化




ファッションに特化したECモールは成長が鈍化している感がある。「ZOZOTOWN(ゾゾタウン)」は、グループ会社との連携やD2C事業を強化し、成長率の再拡大を狙っている。

楽天は「楽天市場」で多数のファッション関連店舗を抱えているだけでなく、ファッション専門ECサイト「Rakuten Fashion(楽天ファッション)」を強化し、さらに流通総額を拡大しようとしている。

ロコンドは高い成長率を維持するため、ユーチューバーとのコラボレーションを積極的に実施している。


商品力が差別化の鍵


コロナ禍が収まる見通しが立たない中、ファッション関連企業のECシフトはさらに進むだろう。

オムニチャネルやスタッフによるコーディネート発信が当たり前になりつつある。仕組みや手法で差がつきにくくなる中、今後は時流に合わせた商品企画力の差がECにおいても出てきそうだ。

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